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サイボウズの「kintone」、丸勢運輸が導入 勤怠・給与業務の集約で属人化解消と業務効率化を実現

 サイボウズ株式会社は16日、福岡県北九州市に本社を置く株式会社丸勢運輸が、業務アプリ構築クラウド「kintone(キントーン)」を導入したと発表した。丸勢運輸は2025年10月にkintoneを導入し、紙とExcelに依存していたバックオフィス業務のシステム化を実現している。

丸勢運輸のkintone導入について

 丸勢運輸は、福岡県北九州市を拠点に、倉庫を持たず1台のトラックを丸ごと1荷主に貸し出す「チャーター便」に特化した運送会社で、合計80台前後の自社車両により、幹線輸送(長距離輸送)と地場輸送を手がけている。

 同社はこれまで、事務職員の勤怠を紙のタイムシートで管理しており、総務部の担当者が転記・確認する必要があったという。また、雇用形態や職種によって異なる計算式が複数のExcelに分散していたほか、ドライバーの歩合計算もExcelで処理していたとのこと。さらに、こうした給与・歩合の計算方法はマニュアル化されておらず、その内容は担当者しか把握しておらず業務が属人化していたため、体系的な引き継ぎができない点も課題だった。

 こうした課題を抱えていた同社は、総務部門の中核担当者の休職を機に、紙とExcelへの依存から脱却し、業務の属人化を解消するための取り組みを開始。複数のサービスを比較検討したうえで、ノーコードで作成できる範囲が広く、必要に応じてコーディングでも拡張できるバランスの良さと、教材が多く後任の育成もしやすい、JavaScriptによるカスタマイズが可能な点などを評価し、kintoneの導入を決めた。

 なお、導入にあたっては、「まずは投資対効果の高い事務所の業務に利用範囲を絞る」という方針のもとで、紙とExcelに分散していた勤怠・給与業務データをkintoneに集約するところから着手した。

 具体的には、事務職員が利用していた紙のタイムシートを廃止し、本人が直接kintone上で打刻する運用に変更した。またドライバーについては、すでに利用していたデジタルタコグラフ(デジタコ)から出力される拘束時間データを、kintoneの「拘束時間管理表アプリ」に取り込み、有給取得や連勤管理など、デジタコでは判別できない情報を補う「出勤簿アプリ」と組み合わせて、日々のデータをkintone上に集約する業務フローを構築した。

 同時に、集約したデータをもとに給与を自動算出する仕組みを構築。事務職員・ドライバーで異なる計算ロジックが、複数のExcelに分散する状況を解消するため、「給与集計アプリ」の計算フィールドに雇用形態・職種ごとの計算ロジックを集約している。こうした一連の取り組みにより、給与計算まわりの作業で月140時間以上を削減できたほか、担当者の頭の中にしかなかった計算ロジックがアプリに集約され、属人化が解消されたとのこと。

 また、運行データを取り込んでボタン1つで歩合給を自動計算する「歩合給計算アプリ」を構築したところ、毎月丸2日かかっていた集計作業が、確認を含めて10分程度に短縮された。また、ドライバーから「自分の手当の内訳を見たい」という要望が出ていたことを受け、PDFを一括生成して各従業員のメールアドレスへ自動送付する機能も実装した。

給与まわりのデータをすべてkintoneに集約

 なお、同社は、現場負担を抑えるために段階的なデジタル化を進めており、電話で対応しながら記録する業務はあえて紙のまま残しているほか、配車表については、Excelを使い続けながら、そのデータをkintoneに取り込んで他のアプリのマスターデータとして活用している。

 さらに、定着促進のため、人事評価の目標に「なるべくkintoneの活用を推奨する」という項目を組み込むなど、組織的な工夫も取り入れた。今後は、事故への対応状況を一元管理する「事故報告アプリ」や個人別の燃費分析なども可能な「燃費管理アプリ」など、複数の業務アプリ開発を計画している。