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米Microsoft、Windows AzureがSSL証明書失効で約12時間サービス機能停止に

 米MicrosoftのAzureクラウドプラットフォームがSSL証明書失効のために約12時間にわたって機能停止に陥る問題が発生した。

 現在、同社のダッシュボードに掲示されている情報によれば、サービスは復旧しているとされる。

 ダッシュボードに掲載されている情報によれば、「2月22日(現地時間)12:44 PSTに、SSL証明書の期限切れが原因で、HTTPSトラフィックに影響を与えるストレージの機能がワールドワイドで停止してしまった。なお、SSL証明書を必要としないHTTPトラフィックには影響はない。我々は影響を受けたクラスター上でSSL証明書を更新するための修復手順を実行し、現在はすべてのサブ領域にわたって99%以上の可用性を回復している」と状況説明を行っている。そして「顧客の皆様に生じたご不便に関してお詫び申し上げます」と謝罪している。

 この問題によって、利用者はWindowsAzureストレージにHTTPS接続ができない状況に陥った。Microsoftが解説しているWindows Azureフォーラムでは、一時的にHTTPを利用することによってサービスの復旧に努める方法などの情報が交換されていた。

 この問題のために、サービスを利用していたXBOX Live、XBOXミュージック、XBOXビデオなどさまざまなサービスが52の異なるリージョンに渡って影響が及んだことが判明している。

 現時点でMicrosoftはなぜSSL証明書が失効してしまったのか、またワールドワイドに影響が波及するに至ったのかに関して正式にはコメントを発表していない。

 この問題についてフォーラムの中では、「Windows Azureでエンタープライズ向けアプリケーションを使用することは適切なのか」などという疑問が提起されるなど、当然ながら多くの不満の声が上がっている。その一方で、Microsoft社内でこの問題に対処している担当者、または責任者が気の毒だ、といった同情の声も上がっている。

 クラウドサービスでは、犯罪者によるサービスの妨害や盗難などのセキュリティ上の問題が取り上げられることは多い。しかし、今回はSSL証明書の期限切れ失効という非常に初歩的なミスによって世界中でクラウドサービスが利用できなくなってしまった。

 Azureに関しては、信頼回復のため、二度とこのような問題が起きないようにMicrosoftが対処するだろうとの推測から、むしろ今後の運営の信頼性には期待できるという見方もある。

 ちなみに、Windows Azureストレージのパフォーマンスについて、先週ビジネス顧客向けクラウドストレージを提供しているベンチャー企業、米Nasuniがストレージの比較報告書を公開していた。その中で、Windows Azure、Amazon、Googleなど他のストレージと比べ、Azureのパフォーマンスは他社と比べて圧倒的に優れるとしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)