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富士通、5G技術とマイクロソフトのエッジコンピューティングサービスとの接続検証を英国でも実施

富士通株式会社は27日、米Microsoft(以下、マイクロソフト)と共同で2022年7月に実施した、富士通の5Gネットワーク環境を構築する技術とマイクロソフトのエッジコンピューティングサービスの接続検証を、2023年3月に英国バーミンガムに開設予定の富士通の検証施設でも2023年度から実施すると発表した。

 富士通では、一般的なプライベート5Gサービスの導入には、専門技術やノウハウが必要で、稼働まで数か月を要する場合があり、導入後も複雑な管理が必要になるとともに、顧客のビジネスや課題に応じてネットワークリソースを拡張・縮小できる柔軟性も求められるといった課題があると説明。こうした課題を解決し、エッジコンピューティング上で5G基地局からエッジアプリケーションまでを一括管理するプラットフォームの構築を目指した検証を、マイクロソフトとともに、富士通の検証施設「FUJITSUコラボレーションラボ」で2022年7月に実施した。

 検証では、5Gの高速・大容量、超低遅延、多数接続などの機能追加に柔軟に対応し、ユースケースごとに適切なパフォーマンスを提供できる富士通のプライベート5Gサービスと、クラウドによりグローバル全体で統合された大規模かつ柔軟性の高い管理が可能なマイクロソフトの「Azure Private 5G Core」と 「Azure Stack Edge」を含む「Azure private MEC」ソリューションを接続し、システムの性能や高精細映像のAI分析における動作の検証などを行った。

 その結果、ネットワークやアプリケーション処理の負荷に柔軟に対応できるプライベート5Gプラットフォームを構築できることを、実際の商用環境において確認した。これにより、無人搬送車(AGV)の自動運転や高精細4Kカメラの映像伝送といったユースケースにおいて、高速・大容量かつ低遅延なデータ通信の実現が期待されるとしている。

 さらに、2023年度からは、英国バーミンガムの検証施設においても、グローバルなパートナー企業とのビジネス共創を目的に、さまざまなユースケースを想定した同様の検証を行う。

 富士通では、将来的には基地局からエッジアプリケーションまで全てを、「Azure private MEC」上の統一プラットフォームに構築することを目指し、5G接続のさらなる簡略化や、複雑な導入や管理を必要としないプライベート5Gプラットフォームの実現に取り組むと説明。また、検証をリファレンスとし、変化の激しいビジネスにより柔軟かつ迅速にネットワークを即応させるサービスを提供することで、ネットワーク全体の課題であったスケーラビリティと可用性を追求し、新たな顧客体験の価値創造や社会課題の解決に貢献していくとしている。

検証で構築したプライベート5Gプラットフォームの機器構成イメージ
今後実現を目指すプライベート5Gプラットフォームのイメージ