最大409.6ギガフロップスのNEC製スパコン、JAISTで稼働開始


SX-9/4B

 北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST)に導入されたNEC製ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-9/4B」が5月21日、稼働を開始した。

 JAISTの情報科学センターは1991年4月に設立されて以来、全学の教職員・学生に均質かつ高水準の情報環境・サービスを提供するため、科学技術計算プラットフォームの提供に取り組んでいる。2006年にNECのベクトル型スーパーコンピュータ「SX-8」を導入し、ほかのスカラー型システムなどと連携することで、さまざまな分野で研究成果をあげてきた。

 今回、稼働したSX-9/4Bは、4CPU、最大理論性能409.6ギガフロップスの性能を保有。ベクトルアーキテクチャの高い実効性能、SX-8との上位互換性、および分子科学アプリケーション「Gaussian(ガウシアン)」最新版への対応といった特徴を生かして、量子解析、生体内流れシミュレーション、新材料研究などに活用する。

 情報科学センター教授の松澤照男氏は、「これまで導入していたSX-8に比べ、約3.2倍の理論性能を持つSX-9は、実効性能も高く使いやすいことから、本学の科学技術計算をさらに進展させる。また、ベクトル計算に適した科学技術計算のスキームやアルゴリズムの開発も加速される」と期待を寄せている。





(川島 弘之)

2010/5/21 16:07