ブイキューブ、ブランドを「V-CUBE」に変更。モバイルやアジア市場を強化


株式会社ブイキューブ 代表取締役社長 間下直晃氏

 Web会議などのビジュアルコミュニケーションサービスを提供する株式会社ブイキューブは5月17日、主力商品ブランド「nice to meet you」を「V-CUBE」に名称変更すると発表した。

 これにともない、nice to meet youブランドで提供されていたサービスも、名称を変更する。ASP(SaaS)型のサービスとしては、社内会議や取引先との会議など双方向コミュニケーションの「V-CUBEミーティング」、セミナーや代理店教育などの映像を多数の拠点に同時配信する「V-CUBEセミナー」、商談相手をリアルタイムでWebに誘導して映像を見せる「V-CUBEセールス&サポート」、オンデマンドおよびライブの映像配信の「V-CUBEビデオ」、コンテンツやユーザーを管理する「V-CUBEポータル」が提供される。

 そのほか、顧客のイントラネット内にシステムを設置するSIサービスも手掛けている。企業のほか、全国知事会や、原口総務大臣と総務省顧問との会議などでの採用例がある。

 代表取締役社長の間下直晃氏は、約6年続いた「nice to meet you」ブランドについて、「親しみやすいが個人向けサービスのように見える」ことや、今後のグローバル展開を考えて、名称変更に踏み切ったと語った。

 これにともなう2010年の計画としては、「どこでも だれでも」の徹底強化に取り組む。モバイル分野での具体例として、4月1日より提供開始したiPhoneやAndroid携帯向けのV-CUBEクライアントを披露。相手の映像を表示しながらテキストチャットやホワイトボード共有を使ったり、iPhoneの内蔵カメラで撮った写真をその場でホワイトボードにアップロードして相手に見せたりできる。音声通話は電話機能による。

 さらに、現在開発中の製品として、iPad向けのクライアントも近く提供する予定だ。iPadの特性を考え、ホワイトボードの閲覧と書き込みに機能を絞る。

スマートフォンのクライアントと情報を共有iPhone版クライアント
Android版クライアントiPad(左上)とホワイトボードを共有するところを、PCのWeb会議画面ごしに表示

 2010年のもう一つの柱として、グローバル展開、具体的にはアジア市場を強化する。まず5月17日から中国語(簡体字)に対応した。以後アジアの各言語に広げていく。すでにマレーシアに現地法人を設立しており、そこを拠点にキャリアなどとOEM等のパートナー戦略を進める。すでにシンガポールやタイ、ベトナムで案件が進行中という。

日本と米国、マレーシアの拠点

 間下氏は、「アメリカは電話会議の文化で、その上で資料を共有するためにWeb会議製品がある。しかし、日本はフェイスツーフェイスの文化であり、求められるものが違う。V-CUBEは日本文化をふまえた製品で、アジアにおいても日本と同じモデルが通用するという仮説で動いている」と説明。それをふまえ、「2011年には30億円規模、そのうちアジア地域で5億円のビジネスを目指す」と語った。


(高橋 正和)

2010/5/18 06:00