スパム対策アプライアンス「SpamSniper」、うっかり送信防止機能を統合



「SpamSniper」アプライアンス「100A」モデル
「Enterprise Edition Version 3.7」統計画面

 株式会社アーク情報システムは、スパム(迷惑メール)対策アプライアンス「SpamSniper」の最新バージョン「Enterprise Edition Version 3.7」を5月上旬より提供する。スパムやウイルスのフィルタリングというインバウンドメール対策に加え、新機能として今回、社員によるメール誤送信などを防止するアウトバウンドメール対策の機能を追加した。

 「SpamSniper」は、韓国Jiransoft社が開発したスパム対策ソリューションで、韓国では同市場で48%(韓国情報保護振興院調べ)のトップシェアを誇るという。日本では、アーク情報システムが2007年から販売している。

 スパム判定はJiransoft独自のエンジンを用いており、日本語を含む2バイト系コードの判定に強いという。さらにCommtouch社のRPDも補助エンジンとして採用しており、スパムメールの多国籍化に対応している。このほか、AVGのエンジンによるウイルスメール遮断機能などを備える。

 最新版で追加したアウトバウンド対策機能としては、添付ファイルのリンク変換および暗号化、送信遅延、Bcc自動変換、決裁機能などがある。

 添付ファイルのリンク変換は、送信されたメールの添付ファイルをサーバーにアップロードする一方、実際に相手に送信するメールにはそのダウンロードリンクを記載する仕組み。パスワードを設定できるほか、アップロードしたファイルを送信者が後から“非活性化”し、ダウンロードできなくすることも可能だ。

 添付ファイルの暗号化では、メールの添付ファイルを自動的に暗号化して送信。パスワードはランダムに生成され、送信者に通知される。送信者は、これを電話など他の手段で相手に伝えるか、一定時間おいてからメールで自動送信するか選択できる。

送信遅延は、送信したメールを一定時間待機させる機能。送信者には確認メールが送られ、送信を続けるかキャンセルか選択できる。

 Bcc自動変換では、ToやCcに書かれたメールアドレスのドメイン名が複数種類あった場合、すべてBccに変換して送信することで、メールアドレスの漏えいを防止する。決裁機能は、送信されようとしている全メールまたは特定メールに対して上司などの内部決裁を得てから実際にメールを送信するものだ。

 「SpamSniper」にはこれまでも送信メールのキーワードフィルター機能があったが、今回、本格的にアウトバンド対策機能を統合したかたちだ。これらの新機能を手始めに、今後もアウトバウンド対策機能を強化していく。専用製品を別途導入することなく、1台でインバウンド/アウトバンド対策が行えるソリューションとして訴求していくという。

 「SpamSniper」アプライアンスの参考価格は、1日あたり20万通のSMTPトラフィックを想定したモデルが、アカウント数無制限で、初年度59万円、次年度以降が年間25万円(いずれも税別)。

 なお、アプライアンスのほかにソフトウェア版もあり、こちらはアカウント数に応じたライセンス体系。参考価格は、150アカウントまでの場合、初年度27万3000万円、次年度以降が年間14万7000円(いずれも税別)。対応OSは、Red Hat Enterprise Linux ES/AS 4以上または互換Kernel 2.6のLinux。


(永沢 茂)

2010/4/28 16:45