日本IBM、DWH構築用アプライアンスにx86ベースの新製品

製品拡充であらゆる分析要求に対応

理事 ソフトウェア事業部 インフォメーション・マネジメント&ビジネス・アナリティクス事業部長の下垣典弘氏

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は4月13日、データウェアハウス(DWH)構築用アプライアンス「IBM Smart Analytics System」のラインアップ拡充を発表した。新たにx86サーバーを採用しコストパフォーマンスを重視した「同 5600」および「同 5600S」を提供する。

 Smart Analytics Systemは、データウェアハウスを構築するための専用アプライアンス。特長は「事前チューニングされているため、最短12日で環境構築できる点」「製品を単体でそろえるより安価で、サポート窓口も一本化できる点」「最小限の構成でモジュール化されているため、各機能を柔軟に拡張できる点」(理事 ソフトウェア事業部 インフォメーション・マネジメント&ビジネス・アナリティクス事業部長の下垣典弘氏)などだ。

 アプライアンスの中に必要なハード、DWHソフト、分析ソフトを構成。各種サポートも含んでワンパッケージで提供する。併せて、あらゆる業界に共通する顧客分析に必要なデータモデル&テンプレートパック「IBM InfoSphere Warehouse Pack for Customer Insight(以下、InfoSphere Warehouse Pack)」も新たに用意し、構築から分析開始までの加速を図る。

Smart Analytics Systemの概要InfoSphere Warehouse Packで顧客分析に必要なデータモデルとテンプレートを提供InfoSphere Warehouse Packに含まれるコンポーネント

 新製品となるSmart Analytics System 5600/5600Sは、膨大なデータから即時に結果を得たい研究開発や、部門単位で分析予測するなどの用途に最適。特に同 5600Sでは640GB SSDを搭載し、サーバーとストレージ間のデータ転送帯域において、同 5600の約2倍のパフォーマンスを実現している。

 価格は、同 5600がデータ容量12TBからで7710万円(税別)から、同 5600Sがデータ容量18TBからで9722万円(同)から。また、InfoSphere Warehouse Packが570万円(同)/サーバー。

 今回はx86サーバーをベースにした製品だが、2009年にはUNIXベースの「Smart Analytics System 7600」を投入している。今後、メインフレームをベースにした「同 9600」も投入する予定。この狙いについて下垣氏は「そもそも分析は何のためかといえば、ビジネスを伸ばすため、分析してアクションを起こすためであることは言うまでもない。だとすると分析の種類は1つではなく、結果重視の研究者、大量データ・複雑性重視の百貨店、セキュリティ重視の保険会社、スピード重視の営業支店など要求はさまざまだ。そこで複数のアーキテクチャを用意することで、あらゆる分析要求に対応する“Fit for Purpose”を実現する」と述べている。

分析の種類、要求は1つではないSmart Analytics Systemファミリー。複数のアーキテクチャをそろえることであらゆる分析要求に対応する考え

 販売戦略としては、ソフト部門・ハード部門に加えてビジネス分析やビジネス最適化を支援する組織「Business Analytics and Optimization」と連携し、営業体制を強化。2010年度中にパートナーセッションなどを順次開催し、パートナー制度も7月以降展開していく。




(川島 弘之)

2010/4/13 15:09