ファイルメーカー、グラフ機能を強化した「FileMaker Pro 11」


FileMaker Pro 11

 ファイルメーカー株式会社は4月7日、「FileMaker Pro 11日本語版」を発売した。FileMaker Pro 11は、3月9日に米国で発売されており、日本語版は約1カ月遅れでの発売となる。

 新製品では、グラフ作成機能を強化しており、円グラフのほか、棒グラフ、水平棒グラフ、面グラフ、線グラフの5種類のグラフを作成することが可能で、「これまでグラフ機能を活用したいという理由から、Excelを離れられないユーザーがいたが、FileMaker Pro 11ではこの点での解決を図っている。これらのグラフ作成機能を使用することで人目をひくグラフを作成できるようになる」(ファイルメーカー)としている。

 作成したグラフはインスタントWeb公開機能を使用して、Webへの公開が可能となっており、コラボレーション機能も強化している。


FileMakerクイックスタート画面強化されたグラフ機能インスタントWeb公開機能でコラボレーションを容易にした
新たに搭載したクイックレポート機能で作成
レイアウトモードで用意されたインスペクタ。さまざまな設定機能がまとめられた

 さらに、新たに搭載したクイックレポート機能では、スプレッドシートのような形式で簡易レポートを作成することができる。

 また、以前から搭載しているレイアウト/レポートアシスタントは、アイコンを一新するなど、わかりやすいインターフェイスに変更。グループ化したデータのレポートが、直感的な操作で、手順を追って簡単に作成できるようにした。

 データベース機能の強化では、クイック検索機能を搭載し、iTunesで利用しているような検索窓から、全フィールドの検索を行えるようにしたほか、レイアウト上のオブジェクトとプロパティを1カ所でまとめて編集できるツールパレット、レイアウトのなかでスクリプトが設定されたフィールドを色分けさけたアイコンで視覚的に判別できるオブジェクトバッジなどの機能を搭載。新規データベースの作成やお気に入りファイルの管理、便利なリソースへのアクセスをサポートするクイックスタート画面の強化などが図られている。

 また、今回のFileMaker Pro 11では、30種類以上のテンプレートが付属しているStarter Solutionsに、新たに「請求書」を追加。データベース上の製品リストや取引先情報などと連携した請求書を作成できる。

 一方、FileMaker Pro 10から搭載されたスクリプトトリガーを活用することで、定期的なインポートを実現する機能を搭載。データベースを開くたびにExcelやテキストファイルから自動でデータをインポートするといった設定も可能とした。

 そのほか、スナップショットリンクでは、現在表示しているレコードや、特定の対象レコードを選択している状態を保存し、ほかのFileMaker Pro 11ユーザーでメール送信で送信して情報を共有することも可能。その日の作業状態を保存するといった用途に利用することも可能だ。


Starter Solutionsは今回からアイコンで表示されるStarter Solutionsに新たな追加された請求書スクリプトトリガーを活用した定期的なインポートの設定

 製品はFileMaker Pro 11のほか、FileMaker Pro 11 Advanced、FileMaker Server 11、FileMaker Server 11 Advancedが用意される。

 FileMaker Pro 11 Advancedではカスタムメニュー編集のユーザーインターフェイスを改良し、カスタム関数のコピー/ペースト、インポートを可能にしたほか、FileMaker Server 11では、使用状況表示の機能強化、バックアップファイルのクローン機能、スクリプトを実行するユーザーアカウントの指定などの機能を搭載。FileMaker Server 11 Advancedでは、これまで999ユーザーまでだった同時接続ユーザー数を無制限とし、管理者グループを使うことで、部門ごとに閲覧権限を設けることができる機能などを搭載している。

 価格は、FileMaker Pro 11が3万8000円、アップグレード版が2万2800円。FileMaker Pro 11 Advancedは価格が5万8000円、アップグレード版が3万4800円。FileMaker Server 11は12万8000円、アップグレード版が7万6800円。FileMaker Server 11 Advancedが38万円、アップグレード版が22万8000円。従来のFileMaker Pro 10の価格を据え置いた格好だ。また今回の製品から、Server製品のアップグレード版も量販店で取り扱われるようになる。

 Windows 7、Windows Server 2008 R2、Mac OS XおよびMac OS X Serverなどで利用できる。


FileMaker Pro 11をはじめとする新製品FileMaker Pro/Pro Advancedのシステム要件FileMaker Server/Server Advancedのシステム要件

 FileMakerは、これまでに全世界で累計1500万を超えるライセンスが出荷されており、個人向けおよびワークグループ向けのデータベースソフトウェアとして定評がある。米フォーチュン上位100社のうち70社がFileMakerを導入しているほか、FileMakerの出荷実績のうち約40%が中小企業ユーザーだという。そのほか、全世界で1万校の教育機関への導入、4000以上の政府組織、NPO法人でも利用されている。



(大河原 克行)

2010/4/7 09:20