NEC、Windows 7サポートなど仮想PC型シンクライアントシステムを強化


 日本電気株式会社(NEC)は4月2日、仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を強化し、同日より販売開始すると発表した。また、仮想PC搭載数を従来比約2倍にした仮想PC型シンクライアント専用外部ストレージ「VPCC SAN セットストレージS3」も発売する。

 NECでは複数のシンクライアントシステムを提供しているが、今回強化された仮想PC型シンクライアントシステムは、OSとアプリケーション環境をまるごと仮想化し、サーバー上で稼働させる方式。サーバー上に仮想環境を展開し、その上でクライアントOS環境を動作させている。

 今回の強化では、仮想化ハイパーバイザーとしてHyper-V 2.0、VMware vSphere 4に対応したほか、クライアントOSも最新のWindows 7 Enterprise(32ビット)をサポート。また、クライアント端末から仮想PCへ自動接続させる機能において、セッション管理数を最大4万セッションにまで拡大し、大規模システムでもこの機能を適用しやすくしている。

 さらに、オプションとして仮想PCのクローン(同一の仮想PC環境)を生成するソフトウェアを新たに追加した。これを利用すると、仮想PCをマスターイメージと差分データによって管理できるため、複数の環境を展開する場合に必要なディスク容量を削減可能。差分データから仮想PC環境を生成できる仕組みによって、迅速な仮想PC環境の作成を行えるとしている。価格は、4000円(税別)/ユーザーライセンス。

 あわせて提供が開始されるVPCC SAN セットストレージS3では、従来製品と比べてコントローラ性能やキャッシュ容量が強化されており、仮想PC搭載数が従来比で約2倍に向上した。加えて、大容量HDD搭載モデルの拡充によって、ラック設置スペースも約半分まで削減可能。また、仮想PCディスク共有オプションとの組み合わせで、共通のPC環境を複数人で共同利用することでコスト削減を図る「共用仮想PC方式」の、より効果的な実現が可能になり、初期導入コストの約30%削減を実現したとのこと。価格は240万2000円(税別)からで、4月5日の出荷開始を予定する。




(石井 一志)

2010/4/2 13:15