日立、基幹向けに安定稼働を重視した上位ブレードサーバー


サーバーシャーシ
高性能サーバーブレード

 株式会社日立製作所(日立)は3月31日、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」のハイエンドモデル「BS2000」のラインアップに、安定稼働を重視した「Eタイプ」を追加すると発表した。

 Eタイプは、BS2000の標準モデルを信頼性、長期保守といった観点から強化した基幹システム向けハイエンドモデル。Eタイプ専用の「高性能サーバーブレード」「サーバーシャーシ」「I/Oスロット拡張装置」などの製品群で構成される。

 特徴は、最大10年間のハードウェア保守に対応した点。長期使用に適した部品、スーパーコンピュータの開発で培った冷却技術などを投入し、標準で7年間の保守を提供するとともに、「ロングライフサポートサービス」で業界最長という10年間保守を実現している。

 また「プロセッサーコア交代機能」により、システムの安定稼働に貢献。コアの障害を検出し、予備のコアに切り替えることで処理を継続できる。特に、サーバー仮想化機構「Virtage」の環境においては、システム稼働中に起きたコア障害の予兆を検出できるため、システムを停止することなく対処可能という。

 さらに最新のXeon 7500番台を採用した「高性能サーバーブレード」において、ブレード間を専用ボードで接続して2台でのSMP接続を実現。これにより、プロセッサを最大4個(32コア)、メモリ容量を最大512GBまで拡張でき、より業務の変化に応じた柔軟なシステム構成が可能になるという。将来的には、4台でのSMP接続も計画している。

 併せて、コア数を最小4コアから最大32コアまで拡張できる「キャパシティオンデマンド機能」を提供。業務量に応じてコアを増やせるため、コア単位で課金されるソフトのライセンス費用を最適化できるという。

 このほか、BS2000のRed Hat Enterprise Linux環境に対する支援サービスも強化。従来より「Linux環境強化サポートオプション」として提供しているが、その中で障害時のLinuxカーネルの動作状況を記録できる「ダンプ取得機能強化サポートオプション」に、よりきめ細かな障害情報が取得できる「同 Enterprise Edition」を追加する。これにより、障害発生前のカーネル動作履歴を記録できるほか、システム稼働に影響を及ぼす事象をあらかじめ検知できるという。

 Eタイプの価格は541万8000円からで、提供開始は5月28日より。ダンプ取得機能強化サポートオプション Enterprise Editionの価格は4万2000円/月からで、提供開始は4月16日より。




(川島 弘之)

2010/3/31 16:08