OBC、「奉行V ERPシリーズ」のIFRSコンバージェンス対応版


 株式会社オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)は3月25日、中堅企業向けのERPパッケージ「奉行V ERPシリーズ」において、国際会計基準(IFRS)の「コンバージェンス(収れん)」対応版を出荷開始したと発表した。

 奉行V ERPシリーズは、中堅企業や成長企業に向けたERPパッケージ。財務会計システム「勘定奉行V ERP」を中心に、会計・財務、人事・労務、販売管理といった企業の基幹業務機能を提供している。

 今回OBCが提供を開始するのは、国内会計基準をIFRSに近づけるためのコンバージェンスに対応したバージョン。同社では、3つの段階で順次、機能追加、制度対応を進め、IFRSをサポートする計画を発表しているが、今回はその第1段階にあたる強化で、1)「資産除去債務に関する会計基準」と、2)マネジメントアプローチの採用による「セグメント情報の開示」に対応した。

 1)については、固定資産管理システム「固定資産奉行V ERP」の強化によって実現しており、除去費用の割引前将来キャッシュフロー、割引率を入力することにより、複雑な現在価値への割引計算を自動で実行する。また、時間の経過による調整計算を毎期実施でき、資産計上した除去費用の減価償却を含めた、償却費計算も可能。各会計処理プロセスにおける仕訳を自動で作成するとのこと。

 2)については、勘定奉行V ERPが対応。従来の業務フローを変えずに、新会計基準を適用可能になるとしている。

 なおOBCでは、コンバージェンス対応版の主な導入先として、上場企業と連結対象企業にフォーカスする考え。有効な保守契約を締結中の該当製品ユーザーに対しては、保守サポートサービスの範囲内で対応プログラムを提供するほか、奉行V ERPシリーズ以外の奉行シリーズを導入しているユーザー向けには、アップグレードプランを用意し、低コストで移行できるようにするとしている。




(石井 一志)

2010/3/25 17:39