ブルーコート、WAN最適化機能を提供する仮想アプライアンス「ProxySGVA」


ProxySGVAの画面イメージ
マネージングディレクターのマット・ベネット氏

 ブルーコートシステムズ合同会社(以下、ブルーコート)は3月16日、WAN最適化アプライアンスサーバー「ProxySG」のラインアップに、仮想アプライアンス版「ProxySG Virtual Appliances(以下、ProxySGVA)」を追加すると発表した。

 ブルーコートではこれまで、アプライアンスサーバー形態でProxySGを提供しており、小規模向けから大規模向けまでの幅広い製品ラインアップを用意してきた。今回発表されたProxySGVAでは、このソフトウェア機能のみを仮想マシン上にパッケージし、VMware環境で動作するソフトウェアアプライアンスとして提供を開始する。

 同製品提供の理由について、マネージングディレクターのマット・ベネット氏は、「管理コストや消費電力を削減したい、またマルチコアの新しいプラットフォームを最大限活用したい、というお客さまの要望に応える意味がある」と話す。企業においては、サーバー統合によって、サーバー機器の稼働率を上げるための試みが行われており、アプライアンスサーバーについても、統合するサーバーの中に含めたいというニーズが強くなってきた。

 こうした声に応えるように、セキュリティ/ネットワークアプライアンスを提供しているベンダーからは、相次いで仮想アプライアンスが発表されており、ブルーコートでもProxySGVAによって、「主に企業のリモートオフィス、支店において、お客さまの選択肢を増加させる」(ベネット氏)目的で、製品の提供を決断したのだという。

ProsySGVAでは、ブルーコートの製品ラインアップのうち、リモートオフィス・支店向け製品と同じ範囲をカバーする仮想アプライアンス提供の背景には、サーバー統合によってコスト削減などを図りたいという、ユーザーの要望がある

 ProxySGVAが提供するWAN最適化機能は、従来のアプライアンスサーバー版とほぼ同等。センター拠点と支店間のファイルのやりとり、メール送受信、ビジネスアプリケーション、ビデオ配信など、各種アプリケーションに対しての高速化機能が提供され、50~99%のWAN帯域の削減、5~30倍のレスポンス時間短縮といった効果を、エンドユーザーに提供する。さらに、ファイル/メール/DNS/DHCP/認証などのサーバー機能を必要に応じて統合することで、管理コストや設置場所、電力の削減などのメリットが得られるとしている。

ProxySGVA利用のイメージWAN最適化機能は既存のアプライアンスサーバー版とほぼ同等で、50~99%のWAN帯域の削減、5~30倍のレスポンス時間短縮といった効果が得られるという

 ラインアップとしては、最大ユーザー数10の「VA-5」、同50の「VA-10」、同125の「VA-15」、同300の「VA-20」が用意され、下位3製品については、上位製品へのアップグレードパスが提供される。必要なリソースは、VA-5では仮想CPU1コアとメモリ1GB程度、VA-20では仮想CPU3コアとメモリ3GB程度。価格はオープンで、「同等レベルのアプライアンスサーバー版よりは安価」(ベネット氏)とするが、具体的な価格は非公開とした。

 対応するVMware環境は、ESX/ESXi Server v3.5(Update 3/4)、V4.0。ブルーコートでは、3月以降の提供開始を予定している。




(石井 一志)

2010/3/16 14:38