デル、中堅・中小企業向けノートPC「Vostro」のラインアップを一新

大幅なパフォーマンス向上と高い堅牢性を実現

 デル株式会社は3月9日、中堅・中小企業(SMB)向けのPCブランド「Vostro」のノートPCラインアップを一新し、先進のパフォーマンスと高い堅牢性、薄型・軽量ボディーによる洗練されたデザイン性を備えた「Vostro 3000」シリーズ4モデルを発表した。13.3型液晶搭載の「Vostro 3300」、14.0型液晶搭載の「Vostro 3400」、15.6型液晶搭載の「Vostro 3500」と、17.3型の大画面液晶を搭載するハイパフォーマンスノートPC「Vostro 3700」の計4モデルをラインアップ。全モデルで光学ドライブを搭載している。

Vostro 3300Vostro 3500Vostro 3700

 Vostroは、SMBのニーズに応えるために設計・開発したノートPC。デル スモール&ミディアムビジネス マーケティング本部 北アジア地区 本部長の原田洋次氏は、同社のSMB向け戦略について、「SMB市場は、法人市場全体の半分を占める大きな市場だが、特定多数の顧客がターゲットとなるため、なかなかニーズがつかみきれず、各社とも攻めあぐねているのが現状。こうした中、当社では、SMB専任のスタッフによって、SMBのビジネスニーズにマッチした製品開発、デザイン、機能、付加価値を追求している」と説明した。

新製品のフォーカスポイント
Vostro 3000シリーズの構成の一例と価格

 今回のラインアップ一新では、「インテルの最新CPU搭載、アルミニウム製シャーシの採用、筐体の薄型化など、SMB向けノートPCとしてさらなる進化を図った。また、あわせてSMB向けのソリューションやサービスも提供することで、IT初期導入コストの最適化、および費用対効果の最大化を支援していく」(原田氏)としている。

 CPUには、最新のCore i3/5を採用。Vostro 3700はクアッドコアのCore i7を選択できる。最大6GBのDDR3 SDRAMメモリ、オプションのNVIDIA GeForce 310M 512MBまたはNVIDIA GeForce GT330 1GB(Vostro 3700)により、高い処理能力による快適な操作環境を実現する。

 また、全モデルで堅牢性に優れたアルミニウム製シャーシを採用し、PC本体の剛性を高めているほか、落下センサー付きHDDや筐体背面に搭載された「Strike Zone」ショックアブソーバー、防滴仕様のフルサイズキーボードなど、PC内部のデータを守る多様な機能を備えている。さらに、筐体のデザインも一新し、前モデルと比較して8~16%の薄型化(フロント部)を図るとともに、3色(シルバー、レッド、ブロンズ)のカラーバリエーションを用意するなどスタイリッシュなデザインを採用している。

 あわせて、SMB向けの付加価値として、Vostro PC内の重要データを、デルが管理する外部ストレージに暗号化して保存できる「Data Safe Online」(2GBまで)を提供するほか、オプションで指紋認証リーダーや暗号化機能を備えたHDDの選択ができるなど、顧客のニーズに応じて最適なセキュリティ環境の構築が可能となっている。サポートサービスについては、法人顧客向けの「デル・プロサポート」を提供する。

 BTOに対応するため構成はさまざま可能だが、例として、Core i5-430M、3GB DDR3メモリ、320GB SATA HDD(7200rpm)、DVDスーパーマルチドライブ、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth、指紋認証、4セルバッテリ、Windows 7 Professional、1年引き取り修理サービス、といった構成の「Vostro 3300 ハイスペックモバイルパッケージ」が8万4980円。

 また、ほぼ同様の構成で、バッテリを6セルに変更した「Vostro 3500 ハイスペックモバイルパッケージ」が8万4980円、バッテリを6セルに、GPUをGeForce GT330M 1GBに変更した「Vostro 3700 ハイスペックモバイルパッケージ」が8万9800円、などとなっている。

インテル マーケティング本部 エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング 統括部長の徳永貴士氏
32nmプロセス技術に基づく最新CPU

 なお、新製品発表会には、インテル マーケティング本部 エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング 統括部長の徳永貴士氏が同席。「今回発表されたデルの新ラインアップには、当社が今年投入した最新CPUのCore iシリーズがいち早く搭載されている。Core iシリーズは、単純に処理速度が速くなっただけでなく、32nmプロセス技術に基づいてさまざまな技術革新が施されている。特に、CPUとグラフィック機能を統合したことで、パフォーマンスの向上とともに、低消費電力化を図っている」と、新CPUの特長を説明した。

 また、「インテル ターボ・ブースト・テクノロジーによって、ユーザーのワークロードにあわせてCPUの周波数を動的に向上することが可能となった」(徳永氏)ともアピールする。実際に、最新のCore i5搭載PCと3年前のPCクライアントのパフォーマンスを比較すると、「ビジネス生産性向上のアプリケーション」では、デスクトップPCで約2倍、ノートPCで約80%、「複数のアプリケーション同時実行」では、デスクトップPCで約2.5倍、ノートPCで約2倍、「機密情報の保護」では、デスクトップPCで約4倍、ノートPCで約3.5倍のパフォーマンス向上を達成しているとのこと。

 そして、「今年に入って、景気もやや回復してきた感触がある。昨年投資を抑えていた企業にとって、今年は新しい技術によってPCのパフォーマンスや生産性を大幅に向上させる大きなチャンスだと考えている。当社では、今後もデルとの連携を通じて、IT投資最適化を実現する優れたテクノロジーをいち早く顧客に提供していく」(徳永氏)との考えを述べている。




(唐沢 正和)

2010/3/9 16:50