ノベル、箱から出して10分でDR環境が構築できる「PlateSpin Forge」

仮想化技術を活用したハードウェアアプライアンス

PlateSpin Forge

 ノベル株式会社は2月26日、ディザスタリカバリ/バックアップ向けのハードウェアアプライアンス「PlateSpin Forge」を発表した。同日より販売を開始する。

 PlateSpin Forgeは、仮想化技術を活用してサーバーのバックアップやディザスタリカバリを実現するアプライアンス製品。Windowsサーバー全体を仮想イメージ化してバックアップ。仮想イメージ化したあとは、差分データのみを圧縮して転送するため、Bフレッツのような回線を使っても十分利用できるのが特長。同期時間は分単位から時間単位まで幅広い間隔で設定できる。

 ディザスタリカバリ用途で利用する場合、本番環境で障害が起きた時点で仮想イメージを起動して業務を継続できるほか、本番環境が復旧した時点で仮想イメージを物理マシンにリストアするといった使い方が可能。また、リストア時に新しい物理マシンに切り戻すこともできる。


PlateSpin Forgeの主な機能障害を検知した時点で、PlateSpin Forge内で待機サーバーを起動障害から復旧したら、元のサーバーに同期を行い、完了した時点で切り戻すことができる
代表取締役社長の徳永信二氏

 同社代表取締役社長の徳永信二氏は、「災害対策市場は、2012年までに年平均8.3%の成長が予測されている市場。災害対策に対しては、いいものをより安く使いたいというニーズは高く、その中で圧縮差分技術と仮想化技術は注目されている。今回発表したPlateSpin Forgeは、環境構築に1~2カ月かかっていたものを、最短10分で設定完了できる簡単さが最大の特徴。また、仮想化技術を使うことで、災害発生時に切り替えや切り戻しも容易に行える。災害対策以外にも、パッチ適用時のテスト環境として使うなど、単なる保険としての使い方以外も可能。なによりも、価格が安く、導入・運用コストを低減できる」と紹介した。


一般的な災害対策環境の場合、ハードウェアの準備からOSやアプリケーションの準備など、非常に時間がかかる。結果、導入コストも膨大になっているPlateSpin Forgeの場合、箱から出して電源を入れるだけで環境構築は完了

 発表会では、実際に箱から出して環境を構築する様子をリアルタイムで紹介。設定するのは、IPアドレスや管理者のパスワードだけとシンプルで、10分程度で環境の構築が完了。構築後は、Webブラウザベースの管理ツールから、保護したいサーバーのIPアドレスなどを指定し、同期時間を設定するだけ。サーバーの規模にもよるが、電源オンからサーバーの保護まで、30分程度で完了した。


PlateSpin Forgeの電源を入れた直後の画面。まずログオン情報を入力PlateSpin ForgeはVMware ESXを利用して仮想環境を構築しているPlateSpin ForgeのIPアドレスを設定。DHCPから取得してもOK
アプライアンス環境へのログオン情報を入力アプライアンス環境のIPアドレスを設定これで基本設定は完了。このあとアクセス用の仮想マシンの構築に5分程度かかる
仮想マシンを作成すれば、環境構築は完了。ここまでで10分程度と非常にシンプル管理用のサイトにアクセスし、保護したいサーバーのIPアドレスと管理者情報を入力するだけと、登録作業もシンプル登録後は同期時間を設定すれば完了。一度同期をとれば、その後は差分情報だけが同期される

 保護対象のプラットフォームは、Windows 2000 Server、Windows Server 2003、Windows Server 2008、Windows XP Professional、Windows Vista。

 価格は、10ワークロード対応の場合で542万9400円(税別)から、25ワークロード対応の場合で852万5400円(税別)から。同社は、初年度100社への販売を目標としている。





(福浦 一広)

2010/2/26 14:25