TED、デル製サーバーに「Greenplum Database」を搭載したDWH製品

汎用性で価格性能比を訴求

CN事業統括本部プロダクト推進部の二宮潤氏

 東京エレクトロンデバイス株式会社(以下、TED)は2月16日、米Greenplumのデータウェアハウス(DWH)エンジン「Greenplum Database」と、デル株式会社のサーバーをパッケージ化し、汎用型のスケーラブルDWH製品として発表した。TEDおよびGreenplum Databaseの販売代理店を通じて、4月1日より受注を、5月17日より出荷を開始する。

 Greenplum Databaseは、シェアード・ナッシング型の超並列処理技術を備えたDWHソフト。必要に応じて汎用IAサーバーを増やすだけで、システム全体の処理性能を向上できる。システムカタログ管理やパラレルクエリ管理などを行う「マスター・ホスト」と、実際のクエリ分散処理などを行う「セグメント・ホスト」の2階層構成となっており、後者を柔軟にスケールアウトできる仕組みだ。

 従来、Greenplum Databaseを各社サーバーと組み合わせて提案してきたTEDだが、今回はあらかじめパッケージ化することで事前のサイジングを実現。導入コストと設計時間を大幅に短縮したという。TED内には、パッケージと同じ構成で検証環境を組み、迅速なサポートに備える。エンドユーザーにとっては、ハードウェアとソフトウェアの保守窓口が一元化されるのもパッケージ化によるメリットだ。

 サーバーには「PowerEdge R510」を採用。その理由について、CN事業統括本部プロダクト推進部の二宮潤氏は「ユーザーデータ用に12基のHDD(最大24TB)を、2Uのコンパクトな筐体に柔軟にコンフィグできる点がGreenplum Databaseに最適だった」と説明する。

 ソフトウェアベースの利点を生かして「容量重視」「性能重視」など柔軟な構成が可能。カスタマイズやライセンス追加でさまざまな構成に対応するが、エントリーモデル構成として、スイッチとマスター・ホストを1台ずつ搭載した「シングル版」、これらを2台ずつ冗長化した「冗長化対応版」の2種類を用意した。

 PowerEdge R510には、2基のXeon X5570、48GBメモリ、12基の2TB SATA(もしくは600GB SAS)、Gigabit Ethernet(GbE)×8ポート(もしくは10GbE×2ポート)を搭載し、スイッチに「Arista7000」を採用。標準でGreenplum Database 1TB分のデータ容量課金ライセンスが付属し、初年度保守込みの価格はシングル版が2200万円(税別)、冗長化対応版が2898万円(同)。

 執行役員 CN事業統括本部 CNプロダクト本部長の林英樹氏は、「DWHは購買動向、通信動向、さまざまな用途で使えるが、最近流行のアプライアンス製品をはじめ、高価なのが課題だった。より価格性能比の高い製品が提供できれば、この市場のポテンシャルは大きく、まだまだ伸長する余地があるだろう。そういう意味では、汎用サーバーを利用できるGreenplum製品がうってつけなのだが、これまでのようにお客さまにハードとソフトを別々にご用意いただくのでは、保守もPOC(Proof of concept)のテストにもさまざまな弊害が生じてしまう」と、パッケージ化に至った背景に言及。

 インターネット関連企業や通信事業者を中心に、販売代理店とともに提案し、「今後3年間で5億円の売り上げを目指す」と目標を語った。

パッケージ製品の概要エントリーモデル構成を2種類用意構成図





(川島 弘之)

2010/2/16 14:00