BLADE、データセンターファブリックを10GbEに集約する「UFA」

米BLADE Networks Technologies 社長兼CEOのビクラム・メータ氏

　ブレード・ネットワーク株式会社（以下、BLADE）は2月2日、データセンターに高性能、拡張性、信頼性に富んだファブリックを実現する「ユニファイド・ファブリック・アーキテクチャ（UFA）」を発表した。

　BLADEは、各ベンダーのブレードサーバー向けにスイッチブレードをOEM提供してきた企業。2008年に自社製品「RackSwitch」シリーズも発表し、データセンター向けに特化したネットワーク事業を展開。「競合他社が30％ほどマイナス成長する中、当社は15％増となる7900万ドルを売り上げ、10Gigabit Ethernet（GbE）スイッチ市場ではCisco、HPに続く3位のシェアを獲得した」（米BLADE Networks Technologies 社長兼CEOのビクラム・メータ氏）と滑り出しも好調という。

■データセンターファブリックを10GbEに集約する「UFA」

UFAの概要

　RackSwitchシリーズは、ラック単位で導入・スケールアウト可能な「Racknomics」手法を採用した10GbEスイッチで、インフラ増設時の複雑さを解消し、TCOの削減が可能となる。技術的には、サーバー側で仮想マシンが移動された際にネットワーク設定も自動変更する「VMready」など、「ネットワークの仮想化を実現する」機能が訴求点となる。

　UFAは、このRackSwitchシリーズを中核に、ネットワークOS「BLADEOS」、「VMready」、LAN/SAN/管理ネットワークを1本に束ねる「vNIC」、CMDBソフト「Smart Server Control」、ファブリック管理ソフト「FabricHarmony」で構成され、データセンターのネットワーク統合を実現する。メータ氏はこれを「Ethernet/FiberChannel/InfiniBand/iSCSIなどさまざまなインターフェイスが混在し、運用の煩雑さを招いているデータセンターに、10GbEによる“集約”で秩序をもたらす」と説明。Ciscoの「ユニファイド データセンター ファブリック」に相当するものだが、UFAはそれよりも「ロスレス」「低遅延」に優れ、「80％近く消費電力が低いのが優位点だ」（同氏）としている。

■Juniperとのパートナー契約で一躍Ciscoの対抗馬に

パートナーとのエコシステムを推進

2009年度は躍進の年に

　「2009年度は躍進の年となった」と同氏は語る。売上高もさることながら、パートナーとのエコシステムが進んだ1年で、NECやInfortrendとのOEM契約を締結（NECには以前よりスイッチブレードをOEM供給していたが、改めてRackSwitchのOEM供給で再契約）したほか、Juniperとも世界初となる「Junos」のライセンス契約を結び、Junosが稼働するスイッチブレードの独占販売を2010年下半期より開始する。

　メータ氏は「Junos搭載製品の提供で、コアからエッジまで1つのネットワークOSを利用したいユーザーを支援できる。これまでこの分野では、Ciscoしか選択肢がなかったのだが、当社とJuniperの協業で唯一対抗できるようになった。わたしたちは誰も単一のベンダーロックインを望んでいない」とCiscoへの対抗心を燃やす一方、「もちろん当社独自のBLADEOSは継続的に開発していくつもりだ。すでに750万ポートの展開実績があるBLADEOSだが、研究開発部門の人員強化、追加投資を実施し、さらに数百万ポートの販売計画を立てている。大半のユーザーにはBLADEOSを提供するが、コアからエッジまで統一したユーザーにJunosを用意することで、ネットワークOSの選択肢も与えられる」とし、選択肢の重要さとJunos/BLANDEOSの位置付けを語った。

■100GbEも2012年までに提供予定

今後のロードマップ

　今後のロードマップとしては、データウェアハウス、リッチメディアコンテンツ配信といった高負荷I/OアプリケーションとASICの親和性向上や、構成・プロビジョニング制御機能を提供するSmart Server Controlのマルチプラットフォーム対応などを推進。そのためのエコシステムとして、テクノロジベンダーと今後も積極的に協業するほか、40GbE、100GbEに向けた技術革新も進める。主にファブリック製品の性能向上とDFP（Distributed Fabric Protocol）の実装を通じて、「40GbEは2010年内に、100GbEは2012年までに製品化する予定」（同氏）としている。