NEC、クラウド基盤を容易に構築可能なパッケージ「Cloud Platform Suite」


Cloud Platform Suite

 日本電気株式会社(以下、NEC)は1月21日、ITネットワーク統合パッケージ「Cloud Platform Suite」を発表した。クラウドコンピューティング基盤の構築に必要な要素を、すべてまとめて提供するパッケージで、価格は871万円(税別)から。同日より販売を開始する。

 Cloud Platform Suiteは、クラウドコンピューティング基盤に必要なソフトウェア、ハードウェアをまとめて提供するパッケージ。具体的な要素としては、サーバー「Express5800シリーズ」、ストレージ「iStorageシリーズ」、ネットワーク機器「UNIVERGEシリーズ」といったものを採用。これらを、管理ソフトウェア「WebSAM SigmaSystemCenter」で統合管理するといった構成になる。なお、これらはすべて、組み合わせ検証が実施されているほか、必要なソフトウェアをNEC側がインストールして提供するため、クラウド環境を迅速に構築できるという。

 ラインアップとしては、導入の容易さを重視した中堅企業向け「スタンダードパッケージ」、大企業や官公庁でのプライベートクラウド構築に最適な製品をそろえた「エンタープライズパッケージ」、大規模なクラウド基盤の構築に適した「データセンターパッケージ」を用意する。

 スタンダードパッケージでは、ブレードサーバー「Express5800/SIGMABLADE」を中心に構築し、軽量ブレード「Express5800/B120b-Lw」、NASブレード「iStorage NS500Ba」などを利用。100V電源にも対応する。価格は871万円(税別)からで、2月下旬の出荷開始を予定。サーバーは1台で、最大4台まで拡張可能だ。

 エンタープライズパッケージもExpress5800/SIGMABLADEを中心に構築するが、ストレージはFC SAN対応の「iStorage D3」を用いて、高い拡張性と信頼性を実現した。価格は3880万円(税別)からで、4月以降の出荷開始を予定する。サーバーは、4台から最大16台までの拡張に対応する。

 データセンターパッケージは、省電力・省スペースの「Express5800/ECO CENTER」と「UNIVERGE IP8800シリーズ」を利用し、局所冷却装置と組み合わせ、消費電力を抑えた大量のサーバー設置を可能にするとした。また直流受電にも対応し、通信事業者の局舎にも設置を可能にしている。価格は2億5000万円(税別)からで、出荷開始は2月下旬の予定。サーバーは標準・最大とも40台となっている。

 このほか、オプションでは、サイレント障害を検知し、障害解析の迅速化に寄与するシステム性能分析ソフトウェア「WebSAM Invariant Analyzer」、データセンター内のネットワーク効率化・可視化を実現する「プログラマブルフロー・スイッチ/コントローラ」を提供する予定。データセンターパッケージに対しては、運用支援ソフトウェア製品「NetCracker」も提供する。


(石井 一志)

2010/1/21 17:15