富士通、PCログイン専用の手のひら静脈認証製品-1万円台から


PalmSecure-LT スタンダード版
PalmSecure-LT マウス版

 富士通フロンテック株式会社と富士通株式会社は1月5日、非接触型手のひら静脈認証装置において、新製品の開発と機能拡張を行うと発表した。製品ラインアップを拡充し、同日より販売を開始する。

 新製品は、利用用途をPCログインに特化することで、高いセキュリティ性を維持しながら1万円台という低価格を実現した「PalmSecure-LT」。センサー装置の活用シーンで最も利用度の高いPCログインにおいて、より気軽に手のひら静脈認証を可能とする。ラインアップは、スタンダード版とマウス版の2種類。また、同製品と併用するPCログイン関連製品として、スタンドアロン/サーバー型の両方に対応するPCログインソフト「SMARTACCESS/Premium」および「PalmSecure LOGONDIRECTOR」、認証データを一元管理するアプライアンス「Secure Login Box」を提供する。

 一方、現行の「PalmSecure」においては、認証ライブラリの機能拡張を行った。ほかの部位の静脈に比べて情報量の多い“手のひら静脈”の利点を生かし、静脈認証において世界初という、1:1000手の高速認証を実現。非接触機能と合わせることで、多くの利用者がいる環境でIDカードやパスワードの要らない、“手ぶら(手をかざすだけの)認証”を可能にした。

 認証ライブラリでは、登録件数の増加に伴う“他人受入率”を抑えるため、新しい認証アルゴリズムを開発。セキュリティを確保するとともに、1:1000認証をストレスなく利用できるよう、認証速度も向上した。特にサーバー集中型処理において、高い認証精度と高速性を実現するため、マルチスレッドをサポートする「Enterprise Edition」を用意している。

 PalmSecure-LTの価格は、スタンダード版が1万7500円(税別)から、マウス版が1万9500円(同)から。1月15日より出荷を開始する。関連製品の出荷時期は、PalmSecure LOGONDIRECTORが2月末、SMARTACCESS/PremiumおよびSecure Login BOXが6月末となる見込み。

 富士通はグループ全体で、今後3年間に100億円の売り上げをめざす。




(川島 弘之)

2010/1/5 12:22