単一システムを複数人で共同保守できる「RemoteView 5」

POSやATMなどのリモート保守も可能

取締役副社長兼日本支社長の安干洪氏
RemoteView 5の適用範囲。リモート接続のほか、POS端末やATMも含めた社内システムのリモート作業にも幅広く利用できる

 韓国RSUPPORTは11月25日、遠隔サポートツールの新版「RemoteView 5」を発表した。12月1日より販売開始する。

 RemoteViewは、管理対象にエージェントを導入する形式の遠隔サポートツール。「リモートアクセス」「リモート監視」「リモート保守」「リモートコラボレーション」に必要な機能を統合するため、情報システム部門からITサービスセンター、建設現場、製造現場まで幅広く活用できるという。新版では、グラフィカルなWebコンソールやUSB格納型コンソールの提供により、どこからでも作業できるモバイル性を強化した。

 新機能としては、ゲートウェイやVPNクライアントを別途設置しなくても、エージェントをクリックするだけでVPNトンネルを張れる「インスタントVPN」を搭載。デスクトップ共有機能と併用することで、遠隔からPC/サーバー、POS端末、ATMなどの画面をリアルタイムに監視し、問題発生時にVPN接続して即座にメンテナンス作業が行える。

 画面を監視する「リアルタイム・モニタリング機能」では、エージェントを仮想グループに登録することで、複数の画面を一度にサムネイル表示できる。これにより、迅速な状況把握を可能にしている。

 また、遠隔サポートを行う際の「アクセスユーザー設定」もサポート。複数のエージェントに対して適切な管理者を設定できるほか、単一のエージェントに対する「マルチユーザーアクセス」を実現している。外部の担当者に一時的なアクセス権を与える「招待機能」も備えるため、「例えば、システムメンテナンスが必要になった場合に、協業する外部の保守会社へ招待メールを送り、特定のシステムに対して同じ画面・操作で共同作業することも可能だ」(取締役副社長兼日本支社長の安干洪氏)。

【お詫びと訂正】初出時、安干洪氏の肩書きを「取締役社長兼日本支社長」と記載しておりましたが、正しくは「取締役副社長兼日本支社長」です。お詫びして訂正します。

 このアクセスユーザー設定機能と画面転送機能に、仮想化ソフトを組み合わせることで、簡易シンクライアントとしても利用可能という。

 vProテクノロジーによるリモート電源管理にも対応。しかもただ対応するだけでなく、「従来は、vProを使っても社内ネットワークやセキュリティ設定に制限があるため、遠隔地にあるPCの電源をONにするにはVPN環境が必須だった。RemoteView 5の場合、単独でゲートウェイサーバー機能を持っているため、VPN環境がなくてもPCのリモートON/OFFが可能だ」(同社)とアピールしている。

 10エージェントパックの価格は、12万5000円から。以降、2エージェント単位で追加導入が可能。

専用業務端末のリモートコントロールが可能第三者に一時的なリモートアクセス権限を与える招待機能簡易シンクライアントとして活用

インスタントVPN利用の流れ複数の端末画面をサムネイル表示するリアルタイム・モニタリング機能システムに対してマルチユーザーアクセス権を設定できる。それをグループ化しておくことも可能

 同製品は、国内市場だけでも主要PCメーカー5社に採用されるほか、公共、金融、一般企業、教育などあらゆる分野で豊富な実績を持ち、遠隔サポートソリューション市場では71%のトップシェアを持つという。今後は、機能強化した新版を「単なる補助的なツールではなく、リモート関連機能を統合した、コミュニケーションをする際のメインツールとして訴求。2011年度末までに10万エージェントの販売を見込む」(安氏)としている。


(川島 弘之)

2009/11/25 17:02