日立ソフト、集中型コード診断ツールを強化-可読性など向上


 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(日立ソフト)は11月17日、集中型静的コードチェックツール「anyWarp CodeDirector for C/C++」の機能強化を発表した。クライアントPC上のソースコード可読性を高める機能や、クライアントPC上のソースコード診断結果をサーバー上で自動集計・分析する機能などを追加し、12月1日より提供する。

 anyWarp CodeDirector for C/C++は、サーバー集中型の静的コードチェックツール。プロジェクト全体のソースコードを一括で診断・集計して品質状況を“見える化”する。

 今回、機能拡張として、1)クライアントPC実行時情報集計機能の追加、2)ソースコード解析支援機能の追加、3)C/C++開発環境への対応範囲拡大、4)Eclipse連携機能の追加、5)新規ルールの追加、を図った。

 1)は、PCで実行したソースコード診断結果をサーバー上に自動集計する機能。従来、PC上で診断・終始された項目については集計が行われず、実際の開発担当者がどのような指摘に対応していたか把握しづらかったという。今回の集計機能により、個々の開発担当者の診断・修正状況を把握できるため、ソフト開発プロセスの改善が図られる。

 2)は、診断レポート上でのソースコードの可読性を高め、指摘された問題を把握し、修正に役立てるための機能。具体的に、構文単位での見通しをよくするため、C/C++言語の構文ごとに色分けを行う「シンタックスカラーリング」、関数などの定義元を簡単に参照できるように、レポート中のソースコードにリンクを埋め込む「クロスリファレンス」、ソースコード内に含まれる関数を一覧する「関数定義一覧」などが盛り込まれている。

 3)では、プリプロセッサ処理を行わずに直接、解析・診断を行えるようになった。ソースコード中に別の言語のソースコードが含まれるコンパイラ構文において、大幅な作業効率化が見込まれる。

 4)では、Eclipseと連携したソースコードチェックを実現。Eclipse利用時の診断自動化を可能とする。

 5)では、新たに16ルールの追加を行い、合計で227ルールとした。主な追加ルールは、定数値でのゼロ除算をチェックする「ConstantZeroDivide」、入れ子となったforループで同名の制御変数をしようとしていないかチェックする「DuplicateForConditionTarget」、ループ条件で用いられる変数に更新があるかチェックする「UpdateConditionTarget」など。

 価格は、クライアント版が5万2500円/ライセンス、サーバー版が63万円/ライセンス、サイトライセンス版が315万円。




(川島 弘之)

2009/11/17 16:15