Logitech、HDビデオ会議ベンダーの米LifeSizeを4億500万ドルで買収


 スイスLogitech International(以下、Logitech)は11月10日(現地時間)、HDビデオコミュニケーション製品を手掛ける米LifeSize Communications(以下、LifeSize)の買収で合意したと発表した。買収額は4億500万ドルで行われ、12月中に完了する予定。

 LifeSizeは、米Polycomに買収されたViaVideoの創業者、クレッグ・マロイCEOらによって2003年に設立された新興企業。高品質のビデオ会議ソリューションを、低価格で提供することを売りにしており、2010年の売り上げは40~60%の成長が見込まれているなど、急成長を遂げている。国内でも、総代理店の日立ハイテクを経由して製品が販売され、10月にも新製品が発表されていた。

 LogitechとLifeSizeでは、両社の技術力と、Logitechが持つ世界規模の製造拠点とサプライチェーン、大規模な研究開発、顧客情報、ブランド力などを一体化し、ビデオコミュニケーション市場の成長を図る考え。米国テキサス州オースチンのLifeSize本社をLogitech傘下の一事業部とし、事業を継続させる計画で、引き続きマロイ氏が経営を担当する。

 ビデオ会議システム業界では、米Ciscoが、大手のノルウェーTANDBERGの買収を発表したばかり。移動コストの削減や、移動を減らすことによるCO2削減といった効果をアピールして、同市場は年々成長しているが、大手企業が相次いで買収されたことも、この市場にかけられている期待の大きさを表しているといえるだろう。




(石井 一志)

2009/11/13 17:08