NEC、iEXPO 2009で最新技術を展示-リチウムイオン電池搭載の日産リーフも


 日本電気株式会社(NEC)主催のC&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2009が東京国際フォーラムで開催した。今回のテーマは、「明日を創るイノベーション~人と地球にやさしい情報社会を目指して~」。講演会場に併設された展示場では、このテーマに沿ったさまざまな製品・サービス・技術が展示されている。

 展示のカテゴリは、「持たざるIT・コスト削減」「クラウドコンピューティングを支えるプラットフォーム」「環境/エネルギー」「安心・安全」「新技術/先端テクノロジー」「情報の見える化で競争力アップ」「新製品タッチ&トライ」「映像ソリューション」の8種類。この中からいくつか展示物を紹介しよう。

クラウドを軸に省エネ製品で「データセンターまるごとエコ」

「クラウドコンピューティングを支えるプラットフォーム」エリア

 「クラウドコンピューティングを支えるプラットフォーム」のエリアでは、通信事業者向けのサービスオープン化基盤などのプラットフォーム技術をはじめ、次世代データセンターを支える、最新の仮想化ソフトや省エネサーバー・ストレージ製品、運用管理ソフトなどが展示され、総じて「データセンターまるごとエコ」というコンセプトが打ち出されている。

データセンター向けのプラットフォーム製品最新仮想化ソフトのデモ



リチウムイオン電池を搭載した日産「リーフ」

「環境/エネルギー」エリア

 「環境/エネルギー」のエリアは、オフィスのエコから低炭素社会を実現する先端技術まで内容盛りだくさんだ。ひときわ目を引いたのが、水色に輝く日産リーフ。NECと日産が共同開発した「リチウムイオン電池」を搭載した電気自動車で、脇には急速充電器なども展示。満タンの状態で走行距離160km以上、最高速度140km/h以上のドライブが可能という。

電気自動車の日産リーフリーフに搭載されたリチウムイオン電池急速充電器

 オフィス向けには、消費電力の“見える化”や環境対応プリンタや、エコPCなどのほか、11月2日に発表されたばかりの「エネパルPC」なども展示されていた。これはユーザーのPC利用状況を学習して、自動的に消費電力を抑えてくれる製品。自分がどれだけエネルギーを使っているのか、意識の向上にも役立つという。

 NECでは、オフィス向けの省エネソリューションを総合的に提供しており、「オフィスまるごとエコ」というコンセプトを打ち出している。

「オフィスまるごとエコ」を実現するPC・プリンタなどエネパルPCのデモ



発熱情報をリアルタイムに伝達する「パンデミック対策」

「安心・安全」エリア

 「安心・安全」のエリアでは、「お客さまを守る」「企業を守る」「社会を守る」の3テーマで展示。「お客さまを守る」のコーナーでは、Webからの情報漏えい防止ソリューションなどが展示。「企業を守る」のコーナーでは、特権ユーザーのアクセス制御やログ管理、コンプライアンス強化などのソリューションが紹介されている。

 またパンデミック対策として、USBメモリ型・仮想PC型シンクライアントが展示されていたほか、発熱者情報をリアルタイムに伝達して感染を防ぐパンデミック対策ソリューションなども紹介されていた。これは体表温度スクリーニングサーモグラフィなどで発熱を検知し、特定エリアへの入場防止などを可能とするもの。管理システムによる遠隔映像監視で状況を記録・再確認できるほか、発熱者の周囲の人も追跡可能という。

 「社会を守る」のコーナーでは、災害地の上空から動画と一情報を送信する「小型無人飛行機による災害監視システム」や入出国管理のためのバイオメトリクス認証ソリューションなどが展示されている。

「企業を守る」のコーナーにはアクセス制御やログ管理のソリューションが展示発熱者情報をリアルタイムに伝達して感染を防ぐパンデミック対策の概要体表温度スクリーニングサーモグラフィ



宇宙開発コーナーには観測センサー「TANSO」

 「新技術/先端テクノロジー」には、宇宙開発技術が展示。小惑星探索機「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンや、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」に搭載された観測センサー「TANSO」などが紹介されている。

宇宙開発技術が展示されているTANSOの模型も

 このほか「情報の見える化で競争力アップ」のエリアでは、DWHアプライアンス・BI・ETLツールや、各種BPMソリューションなどが、「新製品タッチ&トライ」ではビジネスPCやAndroidベースの新世代情報端末などが展示されていた。

Androidをベースにした新世代情報端末展示物はまだ試作品だが、サイズや表示などのイメージはつかめる





(川島 弘之)

2009/11/5 18:15