富士ゼロックス、複合機・プリンタの管理負荷を軽減する統合ソフト


 富士ゼロックス株式会社は11月4日、自社の複合機/プリンタを統合管理するためのソフト「ApeosWare Management Suite」を発表した。11月30日に発売する。

 ApeosWare Management Suiteは、複合機やプリンタの運用・管理にかかわる複数のソフトを統合した製品。ユーザー情報の設定や定期的な更新を一括して実施する「機器管理」、個人やグループごとの出力枚数制限などを行う「ユーザー管理」、出力記録を正確に把握する「ログ管理」、空いている機器を選んで出力できる「プリント管理」といった各機能を提供する。

 これらの機能は、単独で利用することも、複数を組み合わせ、まとめて1つのサーバーで管理・運用することも可能。まとめて利用する際には、個々の管理機能ごとにサーバーを用意する必要がないため、大幅なコスト削減を実現する。また、各サービスを利用するために必要な機器情報、ユーザー情報を共通のデータベースで管理可能。部門ごとに決められた機器の利用ルール、ユーザーごとの利用制限、認証設定情報などをデータベース上に登録しておけば、ユーザーが部門を異動した場合でも、その登録内容を自動的に機器に反映できる。なお、ユーザー情報については、Active DirectoryやLDAPサーバーなど、外部認証サーバー上から取り込む機能も備えた。

 操作は、Webブラウザによる共通ログイン画面から、一貫した方法で利用可能。登録された機器をリモートで監視でき、用紙・トナーの残量警告や使いきりの発生、紙詰まり、カバー閉め忘れ、オフラインモード状態といった異常が機器に生じていないかを、Webブラウザ上で確認できる。

 ラインアップには、ワークグループでの使用を想定した「Standard Edition」と、大規模ユーザー向けの「Professional Edition」を用意した。Professional Editionでは、1台のサーバーで稼働させるのみならず、プリント管理機能においてサーバーを分散配置したり、ユーザー管理用のバックアップサーバーを配置したりすることも可能なため、高負荷なプリント処理、大規模なユーザー/機器管理にも対応できる。

 ライセンスは、サーバーごとに必要なサーバーライセンスと、複合機やスキャナ、プリンタといった管理対象デバイスごとに必要なデバイスライセンス、データベースとして利用するSQL Server 2008 Standard Editionのライセンス(Professional Editionのみ)などから構成される。

 Standard Editionの場合、サーバーライセンスの価格は、ユーザー管理機能「Authentication Management 1.0」が30万円(税別)、ログ管理機能「Log Management 1.0」が10万円(同)、プリント管理機能「Print Management 1.0」が20万円。機器管理機能の「Device Management 1.0」は無償で提供される。

 Professional Editionのサーバーライセンスの価格は、Device Management 1.0が20万円(税別)、Authentication Management 1.0が70万円(同)、Log Management 1.0が20万円(同)、Print Management 1.0が50万円(同)。データベースの価格は各機能共通で、基本となる「Professional DB Basic License」が80万円(税別)、追加CPUライセンスの「Professional DB Additional CPU License」が70万円(同)。

 デバイスライセンスはStandard/Professionalの両Edition共通で、1ライセンスが2万円(税別)。ボリュームディスカウントが設定されており、例えば10ライセンスでは18万6000円(同)、100ライセンスでは100万円(同)、1000ライセンスでは500万円(同)となる。

 対応プラットフォームはWindows。当初は日本語版のみのサポートとなるが、グローバル環境での利用を見据えて、2010年春ごろをめどに、英語、韓国語、中国語(繁体字/簡体字)のWindowsにも対応する予定としている。


(石井 一志)

2009/11/4 15:23