日本IBM、「LotusLive」ブランドのWeb会議・コラボレーションサービス

パブリッククラウドサービスの新サービス群を発表

LotusLiveファミリーの構成
自由にグループを設定でき、社外のユーザーともコラボレーションが可能

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は10月21日、SaaS形式のオンラインサービス「IBM LotusLive」の新サービス群を発表した。コラボレーションサービス「IBM LotusLive Connections V1.0」、Web会議サービス「IBM LotusLive Meeting V8.2」「同 Events V8.2」と、コラボレーション、Web会議双方の機能を提供する「IBM LotusLive Engage V1.0」の各サービスを、同日より提供開始する。

 LotusLiveは、企業向けのコミュニケーション/コラボレーション機能を提供するパブリッククラウドサービス。国内でもすでに、メール、カレンダー、アドレス管理の機能を提供するサービス「IBM LotusLive iNotes V1.0」が10月6日に発表されている。

 今回発表されたLotusLive Connectionsは、ファイル共有、プロジェクトやタスクの管理、インスタントメッセージングといった、ソーシャルネットワーキングの機能を提供するサービス。企業の枠を超えた「グループ」を設定し、そのグループ単位で、ファイルの閲覧・編集などの権限をきめ細やかに管理できる特徴を持つ。また、課金はファイル配信者ごとに行われる仕組みで、閲覧や25MBまでのファイルを投稿可能なゲストユーザーには課金されないため、一時的な共同作業の相手を招待し、ファイルの配布やタスク管理に利用することもできる。

 一方Web会議サービスでは、一般的なWeb会議を開催するためのLotusLive Meetingと、大規模なカンファレンス開催向けのLotusLive Eventsを用意した。前者は、最大15名、ないし25名まで参加可能なオンライン会議室を提供するサービスで、会議主催者1名を除いたメンバーは、自由に招集できる。後者は、Web上でのセミナーやイベントを開催するために必要な強化をLotusLive Meetingに加えたもの。最大1000名が参加でき、参加登録、プロモーション、イベント開催後のフォローアップ支援といった機能を備えている。

 LotusLive Engageは、同 Connections(1投稿者)と、同 Meeting、ないしは同 Eventsを組み合わせたサービスである。

ソフトウェア事業 Lotus事業部長の三浦美穂氏
オンプレミス、SaaSの両形態の製品・サービスを用意し、多様なニーズに対応

 これらのサービスの特徴について、ソフトウェア事業 Lotus事業部長の三浦美穂氏は、「企業へのコラボレーション製品の提供を長年実施している当社ならではの、きめ細やかなアクセス制御を提供する。また、外部サービスとの連携インターフェイスを提供しており、市場で活用されているほかのサービスとの連携をサポート可能だ」と説明した。

 価格は、LotusLive Connectionsがファイル配信者1名あたり1万6800円(税別)/年から、同 Meetingsが15名用オンライン会議室1室あたり6万7000円(税別)/年から、同 Eventsが13万5600円(税別)/年から、同 Engageがファイル配信者1名+15名オンライン会議室1室で7万9000円(税別)/年から。

 なお、これらのサービスにはLotusの名前が付いてはいるものの、Notes/Dominoとは別系統であり、1月に買収したOutblazeの技術をベースに提供される。ただし、例えばNotes/Dominoのユーザーが、クライアントツールをフロントエンドのインターフェイスとして利用することが可能なほか、今後はNotes/Dominoユーザー向けの追加機能や、新たなオファリングの提供も予定しているとのこと。

 日本IBMでは、これらの製品を展開するにあたって、従来通りパートナー経由での再販を行うのに加えて、パートナーブランドのサービスとしてのOEM提供も実施する考え。また、オンプレミス製品、サービス製品の双方を提供することにより、利用形態の多様化に対応するとのこと。三浦氏は、オンプレミス、サービス利用、その2つの併用といった各種の利用法をサポートするとともに、ポータル、クライアントツールなどのフロントエンド製品を整備し、顧客にとっての最適なシステム導入を支援するとした。




(石井 一志)

2009/10/21 16:32