NTT Com、仮想化技術を用いたホスティングサービスの無償トライアル


両サービスの提供イメージ

 エヌ・ティ・ティコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は10月8日、クラウド型のホスティングサービス「グリーンホスティング ベーシック」の無償トライアルを10月15日より開始すると発表した。また、大容量ストレージサービス「グリーンストレージ」も同時に発表された。こちらは12月の提供開始となる予定。

 グリーンホスティング ベーシックは、NTT Comのデータセンターを、ネットワーク経由でオンデマンドに利用できる、クラウド型の仮想ホスティングサービス。ホスティング環境には仮想化技術が利用されており、1台の物理サーバーを複数の仮想マシンで共有する仕組みが導入されているという。ネットワークについては、VPNとインターネット双方からアクセス可能で、最適なネットワーク環境でホスティングを利用できる。

 このサービスは2010年4月からの商用サービス化が予定されているが、今回はそれに先立ち、ユーザーの要望のヒアリング、また機能検証を目的として無償トライアルを実施する。NTT Comからは、ゲストOS(Windows ServerもしくはLinux)をインストール済みの仮想マシン、ファイアウォールが提供されるので、ユーザーはインターネット、またはNTT ComのVPNサービスを経由してアクセスし、アプリケーション、ミドルウェアを自身で組み込んで利用することになる。保守については、平日の10時~17時に故障復旧対応を行う。

 無償トライアルの実施期間は10月15日から2010年3月末までだが、1社あたりは1~2カ月の予定で、ネットワークにかかる費用は別途必要となる。商用サービス時の価格は未定で、スペックに応じた定額料金での提供を予定しているという。

 なおNTT Comでは、仮想化技術を活用したサーバーリソースのアウトソーシングサービスを、「グリーンホスティング」の名称ですでに提供している。今回の新サービス提供に伴い、従来のサービスは「グリーンホスティングエンタープライズ」の名称で、企業の基幹システムや情報インフラにも対応可能なサービスとして提供する考え。

 一方のグリーンストレージは、NTT Comのデータセンターに設置したファイルサーバー機能を、ネットワーク経由で利用するアウトソーシングサービス。Active Directory認証連携やスナップショット機能、ウイルスチェック機能などを備えているほか、ドラッグ&ドロップによるファイルのアップロード/ダウンロード、直接編集などもサポートする。容量は100GBから10TBまで100GB単位で提供し、価格は100GBごとに2万1000円/月となる予定。

 なお、今回発表された両サービスとも、VPNサービスと堅牢なデータセンターを通じた、高い品質と信頼性を提供できる点や、BizCITYのアプリケーション接続サービスを利用するため、VPN内はトラフィックフリー、かつ定額で利用できる点が特徴。またVPNサービスと一体化しているので、NTT Comによるワンストップオペレーションが実現しており、高い可用性も提供できるとのこと。特にグリーンホスティング ベーシックではディザスタリカバリオプションを導入可能であり、万一の障害時にも重要なデータが保護されるとしている。


(石井 一志)

2009/10/8 17:57