監視カメラもフルHDの時代に-三洋がフルHDネットワークカメラ6製品を発表


 三洋電機株式会社は10月1日、フルHD・フルフレームレートに対応した監視用ネットワークカメラを発表した。今回発表されたのは、CSマウントタイプ「VCC-HD2300」「VCC-HD2500」、バンダルドームタイプ「VCC-HD3300」「VCC-HD3500」、ズームタイプ「VCC-HD4600」、PTZ(パン・チルト・ズーム)タイプ「VCC-HD5400」の6機種。


VCC-HD2300/VCC-HD2500VCC-HD3300/VCC-HD3500

VCC-HD4600VCC-HD5400

執行役員デジタルシステムカンパニー DI事業部 事業部長の田淵潤一郎氏

 最大の特長は、コンシューマ向けのビデオカメラ「Xacti」で採用されている映像処理エンジンをベースに開発された「Xacti HD-Proエンジン」を全モデルに搭載している点。同社執行役員デジタルシステムカンパニー DI事業部 事業部長の田淵潤一郎氏は、「弊社は、年間1350万台のデジタルカメラを出荷しており、このスケールメリットを生かしたセキュリティカメラが今回の製品。セキュリティ分野には40年前から参入するなど、長い歴史があるが、これからはネットワークカメラおよびHDクオリティの製品が大きく成長するとみている。Xactiで培ったフルHD・フルフレームを全製品で採用することで、2011年には市場シェア30%以上となり、業界トップを目指す」と意欲を見せた。

 全モデルとも1920×1080のフルHD解像度でフルフレーム30ips(H.264)を実現。また、JPEG圧縮では、最大400万画素(2288×1712)に対応しており、デジタルズームアップ時でも細部まで鮮明に被写体を確認できる。Xactiの小型実装技術を生かすことで、約40%の小型化も実現している。

 また、Optimum IP-Proエンジンを新たに開発。Xacti HD-Proエンジンと並列に利用することで、映像処理とネットワーク処理を分離して実行できるので、映像処理能力の向上と、ネットワーク処理の負荷低減を実現している。そのほか、H.264とMotion JPEGの両方に対応したデュアルコーデックを搭載しており、ツインエンジンと組み合わせることで、最大4つのストリーミング配信が可能となっている。これ以外に、撮影した映像を解析するビデオアナリティクス機能、フォーカスアシスト機能を用意するなど、HDクオリティを生かす機能が搭載されている。


最大4つのマルチストリーミングに対応ビデオアナリティクス機能も搭載(一部機種をのぞく)フォーカスアシスト機能。フルHDになり調整が難しいフォーカス調整を簡素化できる(一部機種をのぞく)

 VCC-HD2300/VCC-HD2500は、レンズ選択が可能なCSマウントタイプ。1080p H.264&JPEG対応、4メガピクセルJPEGに対応する。VCC-HD2500は、ビデオアナリティクス、音声双方向、デジタルPTZ、SDカードスロットなどを搭載している。価格は、VCC-HD2300が8万9800円(税別)、VCC-HD2500が11万9800円(税別)。11月24日より販売を開始する。

 VCC-HD3300/VCC-HD3500は、固定ドーム型バンダルプルーフ(防破壊)・防じん・防滴タイプ。1080p H.264&JPEG対応、4メガピクセルJPEGに対応する。VCC-HD3500は、ビデオアナリティクス、音声双方向、デジタルPTZ、SDカードスロットなどを搭載している。価格は、VCC-HD3300が12万5790円(税別)、VCC-HD3500が15万7290円(税別)。11月24日より販売を開始する。

 VCC-HD4600は、光学10倍AFズーム搭載タイプ。1080p H.264&JPEG対応、4メガピクセルJPEGに対応する。価格は19万7400円(税別)。12月14日より販売を開始する。

 VCC-HD5400は、光学10倍AFズーム・レンズの旋回により、広いエリアの監視が可能なタイプ。1080p H.264&JPEG対応、2メガピクセルJPEGに対応する。価格は31万2900円(税別)。2010年1月12日より販売を開始する。


VCC-HD5400で撮影した発表会会場の外部の様子5.5倍まで拡大した様子10倍まで拡大した様子。フルHDによりナンバープレートの識別ができる



(福浦 一広)

2009/10/1 18:05