ソフトウェアAG、中堅企業向けBPMSクイックパックの活用メリットと販売戦略を発表


ソリューション コンサルティング ウェブメソッド バイスプレジデントの木村礼壮氏
BPMSクイックパックで達成できること
BPMSクイックパック スイート製品

 ソフトウェア・エー・ジー株式会社(ソフトウェアAG)は9月3日、中堅企業向けBPM(ビジネスプロセス管理)ソリューションパッケージ「webMethods BPMSクイックパック」を8月5日に発表したことを受け、同製品の活用メリットおよび販売戦略に関する記者説明会を行った。

 BPMSクイックパックは、大企業向けのビジネスプロセス統合プラットフォーム「webMethodsスイート」をベースに、“小さく始めるBPM”として、日本市場の中堅企業向けに独自パッケージ化したもの。あわせて、キヤノンソフトが短期間での導入を実現する導入設定コンサルティングサービスを提供している。これにより、企業内の分断されたビジネスプロセスを連携させ、全社レベルの統合ワークフローを構築するとともに、ボトルネックのリアルタイム検出、進ちょく状況の把握やビジネスプロセスの迅速な改善を実現する。

 ソリューション コンサルティング ウェブメソッド バイスプレジデントの木村礼壮氏は、同パッケージの活用メリットについて、「現在、多くの中堅企業では、企業内の情報を探すのに手間がかかり効率が悪い、顧客からの要求に素早く対応できない、IT技術の操作が煩雑すぎる、ビジネスプロセスの問題点が把握できない、ビジネスプロセスのルールを素早く変更できないといった課題を抱えており、ビジネスプロセス改善の大きな障壁となっている。こうした課題に対して、BPMSクイックパックでは、業務の自動化、業務の可視化、ユーザー操作の簡易化という3つの機能を提供。柔軟なITプラットフォームをベースに、ビジネスプロセスにかかわるさまざまな問題に対して継続的な改善が可能となり、ビジネスプロセス全体の効率化、コスト削減およびリスク削減を図ることができる」と説明した。

 主な特徴としては、ビジネスルール、情報共有、リアルタイム・モニタリング、ビジネス分析、シミュレーションなどの豊富な機能を、すべてビジネスプロセスデザイン画面から操作することが可能。ビジネスプロセスの設計も、BPMのプロセス設計用ツール「webMethods Designer」により、複雑な業務をGUI操作のみで容易に定義できる。また、非IT対応業務部分向けにコンポジットアプリケーションの実装も可能で、ポータルのフレームワークに1つのポートレットとしてユーザーインターフェイスをコーディングレスで実装することができる。このほか、個別のサービスをポートレット化して再利用性を高めるポートレット・ワイヤリング機能やWebサイトのHTMLページにおけるタグの範囲部分をそのままポートレット化できるWebクリップ(HTMLポートレット)機能などを提供する。

複雑な業務をGUIのみで簡単に定義ポートレット・ワイヤリング機能Webクリップ(HTMLポートレット)機能

 プロセス分析の機能では、対象のビジネスプロセスが、一定期間においてインスタンスが何件発生し、何件終了したのか、また、何件のエラー、ルール違反が発生したのかを確認できるとともに、プロセスのスピードやインスタンスのボリュームを直感的に見ることができる。さらに、「シックスシグマ」機能によって、対象プロセスにおける実行経路のトレンドと各ステップの処理時間の比率を表示でき、ボトルネックがどこにあるのかを把握することが可能となっている。これらの機能を活用することで、エグゼクティブレイヤー、マネジメントレイヤー、オペレーショナルレイヤーといった階層別のニーズに合わせたモニタリングを実現する。

プロセス分析のための標準機能(シックスシグマ)階層別モニタリングの実現
ウェブメソッド バイスプレジデントの香山瑞穂氏

 次に、ウェブメソッド バイスプレジデントの香山瑞穂氏が、BPMSクイックパックの販売戦略について説明。「BPMSクイックパックは、当社のBPMSスイート製品をもっと手軽に、安価に導入したという国内中堅企業からのニーズに応えて提供するもの。導入の際に開発の必要がなく、短期間に最小限の投資でビジネスプロセスの全体最適化を実現することができる。主なターゲットは、売上高1000億円以下、従業員数1000人以下の中堅企業だが、大手企業の関連会社、子会社などにも拡販していく。特に関連会社間、親会社間との連携については、安価に拡張できるプログラムも用意する」としている。

 また、パートナー開発・支援施策として、BPMSクイックパックパートナー向けに24時間365日のサポートプログラムを提供するほか、同社グローバル・コンサルティング・サービスにおいて有償のトレーニングプログラムも用意する。さらに、同社プリセールスエンジニアによるプロトタイプ構築支援を無償で行っていく予定。

 同社では、初年度で10社のパートナー企業数、年間10億円の売り上げを目標としている。なお、キヤノンソフトの場合、BPMSクイックパックの製品本体とコンサルティングサービスを含めて、12月31日まで1200万円(税別)で提供する。




(唐沢 正和)

2009/9/3 17:51