エプソン、基本機能と使いやすさを追求したプロジェクタ6モデル

10万円以下で必要十分な性能を

エプソン販売、取締役マーケティングセンター長の中野修義氏

 セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は8月20日、基本機能と使いやすさを追求した「オフィリオ」プロジェクタ新6モデルを発表した。エプソン販売株式会社を通じ、オフィス標準モデル「EB-W8」「EB-X8」「EB-S8」「EB-S62」と、文教向けモデル「EB-826W」「EB-85」を、9月中旬より順次投入する。併せて、A4モノクロレーザープリンタ「LP-S100」も発表。オフィスでのデスクサイドやSOHO、一般家庭での使用を想定したモデルとして、9月18日に発売する。

価格を抑えて、必要十分な性能・機能を

 プロジェクタのコンセプトは、「高価格で高性能・多機能」よりも「価格を抑えて、必要十分な性能・機能」を追求したこと。「ベンダー発想による押し付け的な価値ではなく、ユーザー発想によるお客様の立場に立った価値を提供する“ビジネス・ユーザビリティ”の考えに沿った」(エプソン販売、取締役マーケティングセンター長の中野修義氏)。

 価格は、近年10万円以下の出荷台数が伸びていることから、オフィス標準モデルの4機種では、最大でも8万円台後半となる価格設定を実施。また、2008年からは6万円以下のモデルの人気も上がっていることから、EB-S62では5万円を切るプライシングを行った。

オフィス標準モデル「EB-W8/EB-X8/EB-S8」

EB-W8/EB-X8/EB-S8
EB-S62
コンパクト性を実現

 オフィス標準モデルの中でもワンランク上の機能を搭載するEB-W8/EB-X8/EB-S8では、従来機種「EB-X6」から体積比約30%減となるA4サイズ、重さ約18%減となる約2.3kgのコンパクト性を実現。輝度は、明るい会議室でも十分見える2500lmで、解像度はEB-W8がWXGA(1280×800)、EB-X8がXGA、EB-S8がSVGA。ワイド画面向けに作成されたプレゼン資料を投射可能とした。

 機能としては、プロジェクタの傾きを検知して、映像が台形に歪む状態を自動補正する「自動台形歪み補正機能」や、電源コードをコンセントに差し込むだけで投射開始できる「ダイレクトパワーオン」、使用後に電源オフすることなく、すぐに電源コードを抜いて後片付けできる「ダイレクトシャットダウン」などの機能を搭載。

 面倒な操作を不要にする「USBディスプレー」にも対応し、USBケーブルでPCとプロジェクタをつなぐだけで映像信号を自動的に認識して、手早く映像を映し出せるようにした。これにより、PC側の映像出力、プロジェクタ側での入力検出の操作を省くことが可能となる。

 また、本体から出る熱風の「前面排気」を採用。本来、側面から排気される熱風を避けて座る必要がないため、会議室のスペースを効率よく活用できるという。

 そのほか、投射中に閉じることで、一時的にランプの出力を下げてファンの音を静かにする「スライド式レンズカバー」、映像を高画質に投射できる「HDMI端子」、USBメモリを装着することで、PCなしでも画像ファイル(JPEGのみ)を直接投射できる「USBスライドショー」、本体の操作パネル・リモコン・接続インターフェイスの表記を読みやすくする「日本語表記」などをサポートしている。

 想定価格は、EB-W8が8万円台後半、EB-X8が7万円台後半、EB-S8が5万円台後半、EB-S62が4万円台後半となる見込み。9月中旬より順次発売する。

自動台形歪み補正機能を搭載PC画面をUSBケーブル1本で伝送するUSBディスプレー日本語表記をサポート

文教向けモデル「EB-826W/EB-85」

EB-826W/EB-85

 一方のEB-826W/EB-85は、教育環境の抜本的充実を図る文部科学省の「スクール・ニューディール構想」に向けて投入する文教市場向けモデル。

 EB-826Wで2500lm、EB-85で2600mlと学校の授業に十分な明るさを実現し、10Wの出力で音質を重視したというスピーカーを内蔵している。このため、例えば、音声を含む教材などのコンテンツ再生時に、外部スピーカーを準備する必要がない。本体背面には、2系統のオーディオ入力端子に加え、マイクとの接続も可能な専用入力端子も備えている。解像度は、EB-826WがWXGA、EB-85がXGA。

 オフィス標準モデルのEB-W8/EB-X8/EB-S8と同様に、自動台形歪み補正機能、USBディスプレー、ダイレクトパワーオン、ダイレクトシャットダウン、USBスライドショー、スライド式レンズカバー、日本語表記に対応。加えて、簡単・小型・軽量の書画カメラ「ELPDC06」(オプション)をUSBケーブルで接続できるようにし、教科書や教材といった立体物を大きく映したり、家庭科実習で先生の実演を大きく映したり、生徒の理解を深めるための応用を可能とした。

 さらに、無線LANのアドホック接続さらに簡単にする「クイックワイヤレス」(オプション)にも対応。別売の無線LANユニットを装着することで、PCとプロジェクタを無線LANで接続できるほか、「クイックワイヤレス用USBキー」も用意すれば、PC側の無線LAN設定や専用のアプリケーションソフトの操作などを行わずに、簡単にワイヤレス接続が可能となる。

 標準価格は、EB-826Wが19万8000円、EB-85が17万8000円。10月上旬に発売する。

 エプソンではプロジェクタ新モデルについて、発売後1年間で4万台の販売をめざす。

オフィリオプリンタ「LP-S100」

LP-S100
製品仕様

 LP-S100は、オフィスのデスクサイド、SOHO、一般家庭での利用を想定したA4対応モノクロレーザープリンタ。スタイリッシュなブラックカラーと省スペースデザインを採用し、モノクロ20枚/分の印刷速度を実現。MPトレイ標準装備で手差し給紙が可能なほか、容量の異なる2種類のトナーを用意した。

 独自の高速データ処理・圧縮転送技術「ESC/PageS Printing System」を搭載。画質・処理速度はそのままに、ホスト側でプリンタの状態を密に監視し制御する仕組みとなっている。

 価格は、1万台中盤となる見込み。販売目標は今後1年間で3万台。


(川島 弘之)

2009/8/20 14:21