日本HP、EDSジャパンの統合を完了-サービス事業を強化


執行役員 EDS事業統括の村上申次氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は8月4日、EDSジャパンとの統合を8月1日に完了したと発表した。2008年8月の米Hewlett-Packardによる米EDS買収完了に伴うもの。日本HPでEDS関連事業を行うEDS事業統括には、旧EDSジャパン社長の村上申次氏が担当する。

 EDSは、ITアウトソーシングのパイオニアで、幅広い分野でITライフサイクル全般に対してサービス提供を行っている企業。さまざまなシステム構築やアウトソーシングのメソトロジー(方法論)を保有しているのが強み。

 村上氏は、「EDSはサービスでビジネス課題を解決してきた企業。ワールドワイドでIBMに次ぐ2位ではあったが、大きく差がついていた。今回、HPと統合したことで、IBMに迫る規模になった。HPのサービス事業も、統合前の16%から30%と売上に占める割合が大幅に増加している」と、統合によりサービス事業を強化できていると説明する。


EDS統合によりサービス事業の割合が増加EDSのサービスポートフォリオITトランスフォーメーションサービス

 今後の事業展開について、村上氏は、「ビジネスプロセスアウトソーシング、アプリケーションサービス、インフラストラクチャテクノロジーアウトソーシングの3つのサービスラインを引き続き提供する」と説明。「また、ビジネスに貢献するITの実現のために、ITトランスフォーメーションを支援するソリューションを提供する。まだまだ日本はレガシーシステムを資産として持っている企業が多く、こうしたシステムからいかにトランスフォームするかが大事。硬直化したITから柔軟なITへのモダナイゼーションを支援していきたい」と、HPとEDSの組み合わせによる、企業システムの変革を進めていく考えを示した。

 5月にはレガシーシステムを最新のシステム基盤へ移行するためのサービス「AMod(Applications Modernization Services)」を発表しており、すでに多くの企業から引き合いがあると村上氏は紹介。「グローバルベストプラクティスと、HP+EDSの総合力で日本の会社を元気にしたい」と、EDS事業の売上規模を3年後には倍増したいと述べた。





(福浦 一広)

2009/8/4 12:46