メールもグループウェア化? 複数人でメール対応可能な「サイボウズ メールワイズ 4」


代表取締役社長の青野慶久氏。文月・七夕の季節であることにかけ、「織姫」と「彦星」になぞらえた「メール」と「メール窓口」をメールワイズ 4で結ぶ一幕も

 サイボウズ株式会社は7月27日、メールシステムの新版「メールワイズ 4」を発表した。同日から販売開始する。

 メールワイズは、メールをサーバーで一元管理できるWeb型メールシステム。Webサーバーにインストールすることで、代表アドレスに届くメールを複数の担当者で共有・対応できるのが特徴。従業員がそれぞれクライアント型メールソフトを使いメールの送受信を行うのと違い、「誰が」「いつ」「どのような」メール対応を行ったのかを把握できる。加えて、「テンプレート」や「他者によるチェック」といった複数人でのメール対応を支援する機能により、二重対応や対応漏れをなくす工夫を凝らしている。

 新機能としては、「作業者指定機能」と「区切り線設定機能」を搭載。前者で次に処理をするべき担当者を明示化し、後者ではメール一覧画面に「以下のメールは本日中に返信しましょう」など区切り線を入れることで、メール返答にかける時間への意識を向上する。

 代表取締役社長の青野慶久氏は、「いまは従業員ごとに個人アドレスが一般的。それはそれでいいが、会社の活動は本来みんなで共有すべき。内部監査などもあり、共有しておかないと困ることもある。またメール対応を複数人で行うことで、業務効率を向上させることが可能。こうしたことから、今後は“メールのグループウェア化”が始まるだろう」と、製品開発の基となる考え方を説明。作業者指定機能と区切り線設定機能は、この考えに沿ったものだと紹介した。

 新機能としてはこのほか、画面デザイン/アイコンの変更やUTF-8メール受信、電話サポートに対応。

 ライセンスも今回よりサブスクリプションを採用し、明確にした。通常価格は、5ログインユーザー版が29万8000円(税別)/年、10ログインユーザー版が39万8000円(同)/年など。何ユーザー版でも、設定できる代表アドレス数は50個まで。2009年10月末までの受注分には、20%割引するキャンペーン価格で提供する。

メイン画面顧客管理画面集計レポート画面

 青野氏は「正直、メールはこれまで注力してきた分野ではなかった。が、メールの重要性がますます高まる中、サイボウズOfficeなどと比べると少ないながらも、導入実績を着実に増やしつつある。まだまだ成長中のソフトだが、OutlookやGmailなどと競うのではなくあくまでサイボウズらしく、ゆくゆくは当社を代表する製品へ育てたい」と意気込みを示し、「これまではネットショップなど顧客対応用途がほとんだった。今後は、業者とのやり取りやメディア対応、リクルーティング業務、社内ヘルプ業務など、さまざまな用途にも利用できるとアピールしつつ、“メール窓口あるところにメールワイズあり”というイメージを定着させていく」と戦略を語った。

 販売目標としては、2010年1月までに新規・既存合わせて1000件の受注を目指す。

 なお「現時点でASP/SaaS方式での提供は予定していないが、今後メールワイズのニーズがより喚起されていくようならば、ASP/SaaSも視野に入れていく」(同氏)とした。


(川島 弘之)

2009/7/27 17:16