日立とNTTファシリティーズ、IT機器とファシリティの「連係制御」を実現


JP1の管理画面イメージ

 株式会社日立製作所(以下、日立)と株式会社NTTファシリティーズは4月21日、データセンターの省電力運用管理器版システムを開発したと発表した。同システムを利用すると、IT機器とファシリティそれぞれの稼働状況を共通のアプリケーション上で一元管理できる。

 両社は、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」と、NTTファシリティーズの空調機「FMACS-V」に対して、統合運用のためのインターフェイス情報を定義。その情報を日立の統合システム運用管理ソフト「JP1」とネットワークを通してやりとりできるシステムを開発した。

 定義したインターフェイス情報は、冷却ファン風量などのBladeSymphony設定情報、運転・停止・設定温度などのFMACS-V設定情報、ならびに双方の温度・故障・運転状態といった稼働状況。これらを各機器に実装することで、IT機器とファシリティを一元管理し、省電力運用の全体最適化を行う基盤が整ったとする。

 具体的な効果としては、IT機器とファシリティ双方の運用情報を、通常時から異常時までリアルタイムで収集し、JP1の管理画面上にビジュアルで表示することが可能。これにより、異常な状態やエネルギーの無駄が生じている個所を早期に“見える化”できるという。

 また、IT機器の冷却に必要な冷気温度と実際に吸引された実測温度、冷却ファンの風量情報といったIT機器の稼働情報を基に、空調機出力の最適値を判断し、冷却能力を動的に制御。これを運用ポリシー化して同システムで一元管理することで、IT機器とファシリティの「連係制御」が実現するという。

 両社は今後、定義したインターフェイス情報を、ほかのITベンダーやファシリティベンダーも利用できるよう、BladeSymphonyおよびFMACS-Vの技術資料として公開する予定。さらに、両社はほかのIT製品にも同機能の実装を進めるとともに、同インターフェイス情報に基づく技術を国際標準規格として標準化機関に提案していく。




(川島 弘之)

2009/4/21 17:10