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「不況こそがフォーティネットのチャンス」、日本法人代表が語るその理由とは?


 「今の経済は深刻な不況だが、当社にとってはチャンスになる。今後も成長していける」―そう話すのは、米Fortinet チーフストラテジスト 副社長 極東アジア経営責任者の坂本明男氏だ。日本法人、フォーティネットジャパン株式会社(以下、フォーティネット)の責任者も務める坂本氏に、その理由を聞いた。


米Fortinet チーフストラテジスト 副社長 極東アジア経営責任者の坂本明男氏

FortiGate 310B
 ご存じの通り、不況となった今は企業活動が縮小に向かっており、IT投資もまた縮小される傾向にある。しかしそれでも、100万円投資していた企業がいきなり投資額をゼロにするのは不可能であり、いくらか減額されることになるのが普通だ。坂本氏によれば、こうした「投資を減らさなくてはならない」状況が、フォーティネットにとってはチャンスになるのだという。

 その鍵は、同社が2008年に市場投入したUTM(統合脅威管理)アプライアンスの新製品、「FortiGate 310B/620B」が握っている。特に6月に発売されたFortiGate 310Bは、最小構成時150万円を切る価格でありながら、ファイアウォールが8Gbps、VPN(3DES)が6Gbps、アンチウイルスが160Mbps、IPSが800Mbpsと、従来製品と比べて非常に高いスループット性能を搭載。「発売後まだ数カ月しか経過していないにもかかわらず、すでに全製品の中でナンバーワンの売り上げを計上している」(坂本氏)ほど、顧客に支持されているという。また、11月に発表されたばかりのFortiGate 620Bも、競合製品と比べて同等以下の300万円台の価格で、ハイエンド製品に匹敵する性能が提供できるなど、高コストパフォーマンスの特徴を引き継いでいる。

 これらの製品が対象とするファイアウォール/VPNの市場では、シスコ、ジュニパー(旧NetScreen)など、強い競合ベンダーが高いシェアを占めている状況だ。坂本氏は「セキュリティ関連の市場ではリスクが嫌われるため、経済活動が順調であれば、例え価格が高くても、同じベンダーの製品をそのまま継続して採用する例が多い」という点を指摘。現在のようにIT投資削減の圧力が強まる中では、「リスクを考慮しながらも、当社のような(これまで導入していなかった)ベンダーの製品を検討するようになる。ここにチャンスがある」と話す。

 もちろん製品に魅力がなければ、乗り換えを検討する企業の目にとまることはない。しかし、FortiGate 310B/620Bは前述したように、高いコストパフォーマンスを持つ。これが今の企業にとっては魅力的に映るのだという。「1台を置き換えるだけでもコストパフォーマンスは高いが、VDOM(バーチャルドメイン)という機能を利用すれば、1台のアプライアンスを仮想的に分割できるので、複数のアプライアンスを1台に置き換え、保守・運用のコストを下げられるメリットもある。不況でIT予算が削減される中、『リプレースすればコストが下がります』というアピールは、非常に受けがいい」(坂本氏)。


 加えて、UTMであることも、フォーティネットが成長する上では大きな要素になっているという。ファイアウォール/VPN製品の場合、初回に販売した後は、保守のやりとりなど一部を除けば、そこで顧客との付き合いは切れてしまう。しかしUTMの場合、ウイルス対策やスパム対策など、脅威に対抗するための頻繁なアップデートを必要とするサービスがあるため、継続してサブスクリプションを購入するのが普通だ。

 坂本氏によれば、すでにワールドワイドのFortinetでは収入の5割以上がサブスクリプションを含むサポート契約で占められているとのことで、これが同社に安定した収入をもたらしている。また契約を更新する必要があることから、「継続して売り上げが期待できる、チャネルにとってもメリットのあるビジネスになっている」という点を坂本氏は指摘する。市場にフォーティネットのメッセージを届ける上でも、リセラーなどのパートナーは非常に重要な役割を担うが、パートナーにメリットを提供できるのであれば、それだけ真剣になってもらいやすい。市況が冷え込む中で次の商材を探しているリセラーも多い今、この点も大きなアピールポイントとして期待できるという。

 なお現在、Fortinet全体における日本の売り上げは10%程度と、決して高くない。坂本氏は、「この現状は非常に不満だ」とし、少なくとも15%程度には引き上げたいとの意気込みを示す。「日本のお客さまは機能面でもいい提案をしてくれるし、技術者もクリエーティブ。ここで成功した企業は世界で成功する。定期的に本社の重要人物を呼んで、日本を肌で感じてもらう」と語った坂本氏は、少なくとも30%の売り上げ増を達成し、フォーティネットのビジネスをいっそう活性化させたいと述べている。



URL
  フォーティネットジャパン株式会社
  http://www.fortinet.co.jp/

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( 石井 一志 )
2008/12/25 11:08

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