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CTC、米Rackableと代理店契約-DC向けに省エネ効果の高いサーバーを展開


米Rackable SystemsシニアバイスプレジデントのTony Carrozza氏

サーバーを前面および背面の両方向に設置することで、排気を中央に集中
 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は4月17日、米Rackable Systemsと販売代理店契約を締結したと発表。4月下旬より同社製品の販売を開始する。

 米Rackable Systemsは、データセンター市場にフォーカスしたx86サーバーベンダー。データセンターにフォーカスしていることから、1Uハーフサイズサーバーや、ラックの前面と背面の双方にサーバーを設置するBack to Backマウント方式を採用した直流電源ソリューションなど、エネルギー効率の高い製品を提供している。2007年には、コンテナを利用したモジュラーデータセンター「ICE Cube」なども発表している。

 米Rackable SystemsシニアバイスプレジデントのTony Carrozza氏は、「x86サーバー分野では米国内で4位の実績を持っているが、海外での認知度はまだまだ。今回、CTCというパートナーとともに、日本市場に進出する」と宣言。「わが社が海外に進出するのは今回の日本がはじめて。日本市場のサイズおよび成熟度を判断して参入を決めた」と、日本を同社ソリューションのニーズが高い市場と判断して進出を決めたと述べた。

 Rackable製品の特長については、「ラックやシステム、データセンターなど顧客の要求に応じて製品を用意するBTO方式を採用しているのが特長。これにより、顧客が求めるニーズに的確に対応できる」(Carrozza氏)と説明。「Back to Backマウント方式を採用することで、1つのラックに最大88台のサーバーを搭載できる。この方式の利点は、サーバーのフロントから吸気し、ラックの中央に排気を集中できる点。これにより熱をラック中央を通じて上部に排気できる。また、直流電源を採用することで電力効率を高めることが可能だ」と紹介。これらにより電力コストを最大30%削減できるとしている。


ラックの前後からサーバーを配置することで中央に空間ができている。この空間を通じて熱を排出するのが同社製品の特長 ラックの前面。通常ケーブル類はサーバーの背面でまとめられるが、同社製品では右側にまとめられる構造を採用。これによりサーバー背面は通気用のスペースとして利用可能となっている ラックの背面。前面とサーバーの配置方法は同じ

 CTC常務執行役員データセンター事業グループ担当役員の松澤正章氏は、Rackable製品を取り扱うことについて、「弊社は20年前からデータセンター事業を展開しており、Rackableとは2年前よりつきあいがあった。Rackableは環境にやさしいサーバーを提供しており、今後のデータセンターにとって重要なソリューションを持っている」と、データセンター事業者の視点でRackableを高く評価したことが、今回の販売代理店契約に結びついたと説明する。

 CTCではRackableの製品を自社で展開する仮想化シェアード・ホスティングサービス「IT統合基盤サービス」のプラットフォームとして採用するほか、大手コンテンツプロバイダーやHPC需要の高い企業を中心に展開すると説明。今後3年間で100億円の売上を目指すとしている。


常務執行役員データセンター事業グループ担当役員の松澤正章氏 今秋開設される新データセンター。環境配慮型のデータセンターとなる予定


URL
  伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
  http://www.ctc-g.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.ctc-g.co.jp/corporate/press/2008/0417a.html


( 福浦 一広 )
2008/04/17 17:25

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