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「ITで日本のビジネスを進化させる」、日本HPが2008年のストレージ・サーバー事業戦略を説明


エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 執行役員の松本芳武氏

エンタープライズ ストレージ・サーバ事業全体における2008年の主要施策
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は1月9日、2008年の同社 ストレージ/サーバー事業に関する説明会を開催。エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 執行役員の松本芳武氏は、「昨年は、日本を元気にするサーバーというメッセージを発信したが、今年は日本のビジネスを元気にし、進化させる意気込みでのぞむ」との意気込みを示した。

 事業部全体での施策は大きく3つ。まず1つ目として松本氏は、同社が大きく推進する変化適応型IT基盤「アダプティブ・インフラストラクチャ」実現に向け、ハイエンドで培ってきた技術をミッドレンジやローエンドの製品にも積極的に提供するとしたほか、ボリュームメリットを生かし、そのメリットを顧客に提供したいと述べる。

 また2つ目としては、日本に根ざした形での製品提供を今後も継続することを挙げた。昭島工場での「Made in Tokyo」や100V対応製品、直流電源対応製品の提供などをすでに実現しているが、今後も“日本の顧客”のニーズに根ざした事業を行っていく。さらには、ワールドワイドにおけるHP社内でのノウハウや諸外国の先進的な顧客の経験をベストプラクティスとして事例化し、国内の顧客に役立てていくという。

 3つ目の施策は、市場カバレッジの拡大だ。日本HPでは昨年末にゼネラルビジネス営業統括本部を新設し、これまでカバーしきれなかった案件の掘り起こしを積極的に図るという。また、営業組織内に製品の専門性を熟知したスペシャリスト的な人員を増強し、サーバー、ストレージ合計で250名以上を配置。「競合力のある製品、ソリューションを提案できる能力をますます高めた」(松本氏)とした。もちろん、事業拡大の一因となっているパートナー経由のビジネスもおろそかにはしないとのこと。松本氏は、従来直販がほとんどだったブレードサーバーのビジネスがパートナー経由で拡大している例を紹介し、「エコシステム強化にも引き続き取り込む」と話している。


エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部の橘一徳本部長

ブレードサーバー、エントリーサーバー両分野の重点施策
 各事業別にみると、まずx86サーバー分野では、2007年に推し進めてきたブレードサーバーの普及促進、中堅・中小企業市場の拡大に継続して注力する意向。エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部の橘一徳本部長は、「競合ベンダーが中心になって広げてきたエントリーサーバーの市場にも浸透できたし、ブレードサーバーでは大型案件でも採用されるようになった。2008年もこの流れを止めることなく、日本を進化させるサーバーをスローガンに、最先端のテクノロジーを日本市場に根ざした形で提供し、顧客のビジネス成長に貢献したい」と述べている。

 日本HPではこの方針に沿って、ブレードサーバー製品やエントリーサーバーのポートフォリオを2008年も強化。ブレードサーバーでは、小型エンクロージャ「HP BladeSystem c3000」を縦置きにしたタワー型エンクロージャを投入し、タワーサーバーの統合にもブレードサーバーを提案できるようにするという。また、空調機の稼働を全体最適化するデータセンター向け空調ソリューションの国内導入を計画するほか、エンドユーザー向けの教育プログラム強化にも取り組み、同社製品ならではのメリットを訴求したい考え。橘本部長は、「これらの活動により、年末までに50%のブレードサーバーシェアを獲得したい。また今年こそ、悲願の、国内x86サーバー台数シェアナンバーワンを目指す」とした。

 このほか、UNIXサーバーを取り扱うBCSビジネス本部では、「メインフレーム・モダナイゼーション」を合言葉に、メインフレームユーザーのオープン化に注力。またフォールトトレラントシステム「NonStopサーバ」を手がけるNonStopサーバ事業本部も、メインフレームユーザーの取り込みと、「ソフト開発や運用開発のハードルが高いというイメージがある」(テクノロジーソリューション事業統括 NonStopサーバ事業本部 浅野勉本部長)ことから、開発・テスト・運用などの各環境のオープン技術適用を推進するとした。

 一方ストレージ事業では、2007年に受け入れられてきた分野での取り組みを継続。1)ハイエンドストレージを核とする災害対策・事業継続ソリューションの提供、2)仮想化機能、運用管理の簡素化などをアピールしたミッドレンジストレージの拡販、3)データ保護製品によるSMB市場の拡大、を柱として事業を進めるとのことである。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/


( 石井 一志 )
2008/01/10 11:14

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