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米BrocadeクレインCTO、HBAの投入や新ソフトウェアを説明

消費電力削減への取り組みもアピール

米BrocadeのCTO兼副社長、ダン・クレイン氏
 ブロケード・コミュニケーションズ・システムズ株式会社(ブロケード)は6月8日、5月末に発表した新製品群に関する説明会を開催。米BrocadeのCTO(最高技術責任者)兼副社長、ダン・クレイン氏が製品の解説を行った。

 ダイレクタ(大型SANスイッチ)向けには、「Brocade 48000」用の10Gbps FC(ファイバチャネル)ブレードを発売する。主に、遠隔拠点間のデータセンター間を高速に接続する用途で利用される製品で、これまでの4Gbps FCと比べて大幅に性能を向上させられるという。また、Brocade 48000用のルーティングブレードと、「Brocade 7500」マルチプロトコルルータにFast Wire機能を追加。クレインCTOはこれについて「遠隔地とのやりとりにおいて、プロトコルの冗長な部分を削除することにより、最大200%の性能向上が見込める。大型のデータセンターから遠隔地のテープライブラリに対して送るデータの加速化などを可能にする」と説明した。

 新たに、サーバー向けのホストバスアダプタ(HBA)も提供を開始する。まず「Brocade 2110 iSCSI HBA」が5月30日より販売開始されており、続いて2007年夏に4Gbps FCのHBAを発売する予定。さらに今後は、8Gbps FCと10Gigabit EthernetのHBAも投入を予定する。Brocadeでは、Ethernet(iSCSI)とFCについて両面でサポートしていく考えだが、クレインCTOは両者の使い分けについて、「Ethernetはこれから2年くらいを考えた場合、低価格な分野で使われるだろう。現在はTCP/IPが必要要件であり、ということは、ハイパフォーマンス・低遅延を求めるアプリケーションでは利用できない。FCはそうしたアプリケーションで使われ続けるだろう」とコメントした。

 さらに近年力を入れているソフトウェア分野でも、新製品を発表している。CIFS/NFSベースのファイルシステム内のデータを統合管理する「Brocade StorageX」では、新版「同 6.0」を発売。Windows Server 2003 R2とのより緊密な統合、UNIXプラットフォームのサポート拡張を実現したほか、データ移行時やストレージ負荷分散中のデータ移動に対して、より柔軟な制御を行えるようにした。

 新製品としては、「Brocade Branch File Manager」が提供される。この製品は、企業の支店や営業所などに散在するファイルデータを、企業のデータセンターで中央管理するためのソリューション。既存製品の持つリモートアクセスの最適化機能をベースに、統一された論理的な名前空間を提供するグローバルネームスペース技術を織り込むことで、データを中央のデータセンターに統合した後も、支店のユーザーへ、ローカルリソース利用時と同様のパフォーマンスを提供できるという。

 また新製品の説明とは別に、クレインCTOはBrocadeの環境への取り組みをアピールした。現在のデータセンターでは、消費電力と、発生する熱を冷却するクーリングの2つが大きな問題として浮上してきているという。Brocadeのスイッチ、ダイレクタでは、ASICの利用などによって、競合の製品と比べて消費電力を低減できているとのこと。クレインCTOは、第三者機関による測定結果を引用し、「384ポートのBrocade 48000では956VAだったが、競合のほぼ同じ構成の製品では2705VA。当社では、競合の約1/3で済んでいる。発生する熱の冷却を考えると、6倍違うことになる」と述べている。



URL
  ブロケード・コミュニケーションズ・システムズ株式会社
  http://www.brocadejapan.com/

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  ・ 米Brocade CTOが語る「次世代データセンターの課題」(2006/03/31)


( 石井 一志 )
2007/06/08 16:49

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