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国内ベンダ18社が参加するMIJS、ソフト連携を実現する技術構想を発表


MIJS理事長を務めるソフトブレーン株式会社 代表取締役社長の松田孝裕氏

現18社のMIJS参加企業

MIJS技術部会長を努める株式会社システムインテグレータ 代表取締役社長の梅田弘之氏
 メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(以下、MIJS)は2月1日、同事業体が取り組む活動において、中核となる連携技術の3つの構想を発表した。

 MIJSは、ソフトウェア製品間の連携技術の確立と、国産ソフトの質の良さを世界にアピールしていくことを目的に、2006年8月に発足された共同事業体。参加企業は、発足時より5社増えて現在18社。夏ごろには25社に増える見込みという。MIJS理事長を務めるソフトブレーン株式会社 代表取締役社長の松田孝裕氏は、「人手不足で時間もない各社の技術者が、毎週1日分ほどの時間を割いて、激しく意見をぶつけ合っている」と、活動が順調に進ちょくしていると語った。

 海外進出に関しても、2006年11月に上海に中国事務局を設立したほか、今後は欧州と東南アジアへの展開も予定しているという。松田氏によれば、「すでに、英国のある企業から賛同を得ており、欧州に関しては事務局設立までにそんなに時間はかからないだろう」とのこと。

 そうした活動の中、今回行われた発表では、製品連携の具体的な3つの技術構想が紹介された。

 1つ目は、製品そのものをつなぐ「トランザクション連携」。各製品を連携させるために、従来のように1つ1つの製品を個別につなげるのではなく、共通バスを介して全体をつなぐ考え方だ。各製品の専用アダプタを用意し、共通バスにつなげるだけで製品間連携が可能となる。そのため、新たに製品を追加連携する場合も容易に実現できる。共通バスとしては、アプレッソの「DataSpider」を利用する。

 2つ目は、各製品のマスタデータを共有するための「マスタ連携」。例えば、社員コードや数字のけた数など、製品によってデータの形式はそれぞれ異なる。この違いを吸収するのがマスタ連携の目的。MIJS技術部会長を努める株式会社システムインテグレータ 代表取締役社長の梅田弘之氏によれば、「こうしたマスタデータの標準化はこれまでなされてこなかった。この点は、MIJSの活動においても重要な課題で、各マスタはどういう形式であるべきかなど日々話し合いを続けている。その中で、マスタ規格化の素案も検討中だ」という。

 3つ目は、各製品の機能単位で連携を行う「共通インフラ機能連携」。会計や販売、生産と異なる業務であっても、機能的には共通する個所がある。例えば、IDの管理やログ取得などの機能で、こうした機能が各製品ごとに散在していては、管理するのに効率が悪い。そこで、各インフラ機能を共通のモジュールにして、自由に組み合わせられるようにするのが、共通インフラ機能連携の考え方となる。


トランザクション連携 マスタ連携 共通インフラ機能連携

 「コンソーシアムの運営の難しさは重々承知している。でも、動き出さなければ何も始まらない」と意気込みを見せる梅田氏。その上で、「今年の夏ころには、目に見える形で、連携技術に関する第1段目の成果発表ができるはずだ」とした。



URL
  メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム
  http://www.mijs.jp/
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.mijs.jp/news/pdf/new_070201.pdf

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( 川島 弘之 )
2007/02/01 17:00

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