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NEC、関西のブロードバンドソリューションセンターをリニューアル


 日本電気株式会社(NEC)は2月6日、大阪市・城見のNECブロードバンドソリューションセンター関西をリニューアルオープンした。

 同センターは、ブロードバンドと情報システムを統合させた先進的な活用方法を、NEC自らが実践し提案するオフィス兼ショールームと位置づけられているもので、UNIVERGE製品群拡販のための戦略的拠点としての役割を担っている。

 大阪のほか、東京・品川にも同センターを開設しており、2つのセンターをブロードバンドで結び、それぞれのセンターに展示しているソリューションを相互に閲覧することができる。


NECブロードバンドソリューションセンター関西が入居するNEC関西ビル。ここの2階、3階フロアにある
リニューアルしたNECブロードバンドソリューションセンター関西

 昨年1月24日のオープンから、ちょうど1年目にあたる今回のリニューアルでは、新たにソリューション開発拠点としての機能を付加するとともに、同センターのショールームおよび執務フロアで実際に導入したソリューションの実証および展示を開始した。

 実証するソリューションの第一弾として、ショールーム内に展示してある携帯電話、PDAのほか、オフィスフロアの備品などをRFIDで管理する「持出検知ソリューション」を用意。これをデモンストレーションできる環境を用意した。

 持出検知ソリューションは、RFIDによって、資産や備品の所在をリアルタイムに管理できるほか、監視対象の資産が監視エリアから外れたときには、管理者に警報アラームで知らせることができる。備品の紛失や、置き忘れなどを未然に防止するとともに、管理の効率化を図れるソリューションとして開発。今回は、そのソリューション展示とともに、ショールームでの導入効果を測定するという。


製品化に先駆けて展示した持出検知ソリューション。アクティブ型のRFIDをショールームで活用するFOMA端末に付属
PaPeRoにもRFIDを貼付して、管理が行われている
ショールーム内に4カ所、受付付近に2カ所設置されている受信アンテナ。これでRFIDの電波を受信してリアルタイムで管理する

管理画面。受信アンテナによって、備品が現在どのあたりにあるのかがわかる 連携ソリューションによって、FOMAでも備品の場所を確認できる

箭木由和センター長
 現在、ショールームで活用しているFOMA端末20台をはじめ、約200台の情報機器などにアクティブ型のRFIDを付属。これによりリアルタイムで備品を管理する。

 「まだ正式な製品発表をしているソリューションではないが、実際に社内で活用し、さらに来場したユーザー、販売店からご意見をいただくことで、開発部門に対して製品化に向けた的確な要求が出せるようになる」(NECブロードバンドソリューションセンター関西・箭木由和センター長)としている。

 同センターではリニューアル前に、各関連部門から展示したい製品やソリューションについて公募しており、製品化前のものでも、ユーザーニーズに合致しそうなものは積極的に展示する姿勢を見せている。今回の「持出検知ソリューション」も、そうした社内公募によって展示を決定したものだ。


今回新たに展示に加えた高騒音下で使用可能なPDA型音声認識装置「VoiceDo(ボイスドゥ)」。電動ドライバーの音を再現して、そこでも使用可能であることをデモンストレーションできるようにしている
 また、今回のリニューアルでは、個人所有の携帯電話を用いて簡単かつ安全に企業の業務サーバーへアクセスできる「UNIVERGEケータイポータル」や、高騒音下で使用可能なPDA型音声認識装置「VoiceDo(ボイスドゥ)」、音声認識により映像とテキストを自動的にマッピングし、映像中の見たいシーンをピンポイントに再生・配信する映像検索配信システム「StreamGallery」、大容量コンテンツ配信を実現するストリーミングサーバーソフトウェア「ストリーミング統合プラットフォーム」、データベースを直接監査し、データベースの異常を速やかに通知する「WebSAM IPLocks」の5つのソリューションを新たに展示した。

 箭木センター長は、「この1年間で約4000人に来場していただいた。当初の計画では月500人としていたが、来ていただいたユーザーが、ブロードバンドオフィス化を図ったり、FOMA連携ソリューションの導入や、ペーパーレスソリューションに高い関心を示すなど、当初の目的は果たせたと考えている。また、営業部門や販売店が、センターを積極的に活用するという動きも出てきた。当初は、センター全体を見学するといったケースが多かったが、最近では、特定のソリューションに絞り込んでじっくり体験したいといった使い方が増えてきている。今後もブロードバンドソリューションを体感できる場として、活用してもらえるようにしたい」と語る。


リニューアルにあわせて来場者が増加することから、期間限定で特別展示コーナーを設置。UNIVERGE製品群や、SmartOn NEOやIncidentGuardなどのソリューションを実演展示
 また、この1年間にわたって、セキュリティソリューションに対する来場者の関心が高く、セミナーでも人気が高かったことから、この分野のセミナー、展示も強化する考えだ。

 東京・品川のブロードバンドソリューションセンターは、最先端技術の展示が目立つが、同センターでは、すぐに導入できるソリューションを展示しているのが特徴で、「中小企業が多い関西の特徴にあわせたソリューション展示とともに、すぐに導入し、効果が発揮できるものを積極的に展示している」という。

 同センターは、昨年1月のオープン以来、4月、7月、10月と、約3カ月ごとにリニューアルしており、開設1年目となる今回が4回目のリニューアル。次回は5月に予定しており、「より業務にあわせた展示やデモンストレーションが行えるようにしていきたい。また、いますぐに導入できる最新のソリューションを、直接体感できる場として、ユーザーだけでなく、多くの販売店にも活用してもらたい」としている。


同センターの開設1周年記念とともに、2月19日には関西支社設置100周年を迎えることから、記念展示コーナーを設置 明治30年(1897年)にNECが製造したデルビル磁石式甲号卓上電話機 記念展示コーナーには、PC-9800なども展示されている


URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0602/0201.html


( 大河原 克行 )
2006/02/06 18:19

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