Enterprise Watch
最新ニュース

MKIとMBSD、iDC専業会社を設立-高付加価値サービスの提供を目指す


MKInetの代表取締役社長、石黒太郎氏

MKIの代表取締役社長、増田潤逸氏
 三井情報開発株式会社(以下、MKI)と三井物産セキュアディレクション株式会社(以下、MBSD)は12月21日、iDC(インターネットデータセンター)の運営を行う「MKIネットワークソリューションズ株式会社」(以下、MKInet)を、12月7日付けで設立したと発表した。営業開始は2006年1月4日から。

 MKInetの代表取締役社長には、同じ三井物産系列のE3ネットワークス(11月にMBSDと合併)にて、2004年まで社長を務めていた石黒太郎氏が就任している。資本金は2億円で、MKIが75%、MBSDが25%を出資した。従業員は約80名(うち技術要員60名程度)。MKIが行っているiDC事業を基本的に引き継ぎ、事業をスタートする。データセンターとしては、1000平方メートルの敷地に最大450ラックの収容能力を有するiDCを持つ。

 新会社の事業母体となったMKIでは、中期経営計画「GMAX計画」をスタートさせ、2008年3月期に20億円の連結純利益を目指すとしているが、今回の新会社設立をその大きな柱の1つに位置付けている。これまでも同社のiDC事業は、「単なる場所貸しではなく、当社の得意とする保守・運用を、ITニーズをよく理解した上でワンストップサービスで提供し、ユーザーに評価されてきた」(MKIの代表取締役社長、増田潤逸氏)とのことだが、増田氏は「さらにセキュリティへのニーズが高まっていることから、強いところと組んで事業を伸ばしていきたいと考えた」と、専業会社設立に至った理由を説明した。

 一方、MBSDの代表取締役社長、野村一洋氏は、「24時間のセキュリティ運用監視や脆弱性診断などをコア事業としてきたが、これらのセキュリティサービスのスキルを新会社へ提供し、サービスを強化する」と、MKInetとの関係を説明。また、「こうしたナレッジは当社のコアであり、どこにでも出せるわけではない」と、資本参加した理由について言及した。今後に関しては、「内部統制強化の一環として注目される業務アウトソーシングが注目されてきている中、セキュリティ、運用・管理を付加価値としたiDCサービス販売を支援したい」と述べた。

 これを受け石黒氏も、「MBSDからの、サービスのノウハウやコンサルティング力の移管・強化を受け、セキュリティサービスを積極的に売りにしていく」としたほか、日本版SOX法などによる内部統制強化の流れをにらみ、新しい企業向けサービスを近々発表することを明らかにしている。同社全体での事業目標は、2007年3月期時点で売上高18億円、税引き後利益で1億5000万円。これは、MKIにおけるiDC事業実績の約5割増し程度になるという。



URL
  三井情報開発株式会社
  http://www.mki.co.jp/
  三井物産セキュアディレクション株式会社
  http://www.mbsd.jp/


( 石井 一志 )
2005/12/21 16:35

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.