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「今度は本気」、富士通とSAPがグローバルでの協業を強化


右から、独SAP AGのGlobal Partner Management Senior Vice President Stephan Rossius氏、富士通株式会社 経営執行役常務の伊東千秋氏、SAPジャパン株式会社 代表取締役社長の藤井清孝氏
 富士通株式会社と独SAP AGおよびSAPジャパン株式会社は6月15日、富士通の「FlexFrame for mySAP Business Suite(以下、FlexFrame)」とSAPの「SAP NetWeaver(以下、NetWeaver)」をワールドワイドで提供するグローバル協業の強化を発表した。今回の協業により、富士通はFlexFrameの日本国内での販売を開始し、新たに「富士通NetWeaverソリューションセンター」を7月に設立してSAPのNetWeaverの提案・導入支援などを行うとしている。

 FlexFrameは、富士通の欧州関連会社である富士通・シーメンス・コンピューターズが開発したSAPソリューション向けの統合プラットフォーム。ブレードサーバー、NAS(Network Attached Storage)などのハードウェアとミドルウェアによって構成されており、任意のSAPアプリケーションに対し、ハードウェアリソースを動的に割り当てられるのが特長。これにより、従来SAPシステムの構築に必要であった「開発・評価・本番」の複数台のサーバーを統合でき、導入コストや運用コストを大幅に削減できるメリットがある。

 今回の協業では、欧州でのみ販売されていたFlexFrameをワールドワイドで展開するのが狙い。FlexFrameの展開に伴い、NetWeaverの提案・導入のための「富士通NetWeaverソリューションセンター」を日本・北米・東南アジアの各地に設立し、グローバル展開を進めるとしている。両社は2005年末までに世界で300システムの販売を目指す。

 富士通の経営執行役常務 伊東千秋氏は、「2000年にグローバルテクノロジーパートナー契約をSAPと締結しており、欧州ではすでに実績が上がっていた。今回は、これをグローバルに展開することが大きな狙い」と、欧州だけでなく、日本を含む全世界で展開することが、今回の協業の主旨であると述べた。

 SAPジャパンの代表取締役社長 藤井清孝氏は、「成長のためのスピードある変化を求める企業トップの立場と、業務を遂行するITの側からのTCO削減要求との間のギャップを埋めるのがESA(Enterprise Services Architecture)。これを実現する製品がNetWeaverとなっている。ESAはいくつかの階層にわかれているが、そのうちのインフラ部分として、FlexFrameが最適な製品と考え、今回の協業にいたった」と、同社のNetWeaverにとって最適なインフラがFlexFrameであると述べ、今回の協業の意義を説明した。

 富士通では、ERP製品としてGLOVIAを持っているが、「顧客のニーズに応じて対応する」(伊東氏)とし、今回の協業はあくまでもプラットフォームに関するグローバルな提携であることを強調した。なお、富士通では96年よりSAPのプラットフォームパートナーになっているが、伊東氏は「今までは不十分とおもわれても仕方がない対応だった。なので、今回あらためて協業強化を発表した。特にSAPアプリケーションはTRIOLEのコンセプトにあった製品であるため、しっかりと取り扱っていく」と積極的に取り組む姿勢を見せた。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.co.jp/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/06/15.html


( 福浦 一広 )
2004/06/15 15:36

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