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マイクロソフト、自社の特許・著作権などの提供ポリシーを明確化

業界内での利用機会を拡大、学術機関などへは無償で提供

米Microsoft Corporation極東担当アソシエイト ジェネラル カウンシル トム・ロバートソン氏
 米Microsoft Corporationは12月3日(米国時間)、同社のIP(Intellectual Property、知的財産)ポリシーを拡張し、業界他社や学術機関などへの提供を拡大すると発表した。12月4日にはマイクロソフト株式会社にて、Microsoftの法務関連の責任者で極東担当アソシエイト ジェネラル カウンシルのトム・ロバートソン氏が出席するラウンドテーブルが行われた。

 同氏は、Microsoftでは研究開発費として年間70億ドルが当てられ、R&Dの比率でも他企業と比べ高いことに触れ、「業界他社からIP提供ポリシーの質問を受けることも多かった」と述べた。今回の発表により、同社の約4,000件の特許、著作権、トレードシークレットをライセンス供与する条件の内容を明確化、合理化する。同氏は今回の取り組みについて、IBM、富士通、HP、Philipsなどの企業の名を挙げ、「これらの企業の模範を得たもの」と語り、「業界各社がMicrosoftの技術を利用する機会を増やすための趣旨」と説明、「今後はパートナーなどの声を聞きながら関連ポリシーを詰めたい」とした。


Microsoft Asia Ltd.法務・製作統括担当 平野 高志氏
 ラウンドテーブルに同席したMicrosoft Asia Ltd.法務・製作統括担当 平野 高志氏は、「ライセンス供与は有償と無償の組み合わせで行う」と述べたほか、クロスライセンス契約での提供も行われるとのこと。「非商用目的での学術機関への提供は、今まではWindows関連だけだったが、今回の発表によりこれを拡大する。またWindows開発者にはSDKを今まで同様に提供する」と述べたほか、「シェアードソースプログラムによるソースコードやOffice XMLスキーマの無償提供も行う」と語った。またClearType、FAT File Systemもに関してはすでにXerox、Agfa、Lexerなどへのライセンス供与を先行して始めているという。

 ロバートソン氏は、「これまでもWindows CEのシェアードコードをOEM用に無償で提供しており、商用目的ならば必ずしも有償ということではない」とした。そして今回の発表を「研究開発への投資を確保し、IT業界の発展になくてはならないもの」と位置付け、「他社がMicrosoftのIPに興味があれば、いつでも話し合いする準備がある。今後はライセンスの可能性を広げたていきたい」と語った。



URL
  米Microsoft Corporation
  http://www.microsoft.com/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1784


( 岩崎 宰守 )
2003/12/04 17:35

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