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マイクロソフトのSaaS「Microsoft Online Services」日本語ベータ開始

オンプレミスの既存システムとの連携も可能

業務執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部 本部長の横井伸好氏
 マイクロソフト株式会社は3月10日、ビジネス向けのオンラインサービス「Microsoft Online Services」を4月より国内で展開すると発表した。正式公開に先立ち、同日より、「Microsoft Business Productivity Online Suite(以下、BPOS)」の日本語版ベータを提供すると発表した。同日より、正式公開から30日後まで無償で利用できる。

 Microsoft Online Servicesは、同社のエンタープライズサーバー製品をサービスとして提供するオンラインサービス。Exchange ServerやOffice SharePoint Serverなど、従来自社内で運用していた製品を、同社が運営するデータセンターで運用し、インターネット経由で利用できるのが特長。また、同社が提唱している「ソフトウェア+サービス」にも対応しており、Office Outlookなどのクライアントからサービスを利用することも、Webブラウザ経由でサービスを利用することも可能となっている。

 同社業務執行役員 インフォメーションワーカービジネス本部 本部長の横井伸好氏は、「2007年から2011年までのSaaSの成長率が年間平均で32%、また2011年には新規ビジネスソフトウェアのうち、SaaSが25%のシェアを獲得するといった調査結果が示すように、オンラインサービスが今後大きな市場を占めるだろう。これに対して、マイクロソフトでは、ソフトウェア+サービスを以前より提唱しており、今回発表したMicrosoft Online Servicesはこれを実現するサービス。ソフトウェアの使い勝手のよさと、オンラインサービスの使い勝手のよさを融合している」と、既存のソフトウェアの使い勝手を生かしながら、オンラインサービスのメリットを得られるのが今回発表したサービスであると紹介した。


既存の各サーバー製品と連携して利用可能なMicrosoft Online Services Microsoft Online Servicesのラインアップ

 Microsoft Online Servicesで提供されるのは、1)メール・予定表・連絡先などを提供する「Microsoft Exchange Online」、2)ファイル共有・ポータル・掲示板・情報共有サイトなどを提供する「Microsoft Office SharePoint Online」、3)IM(インスタントメッセージ)・在席情報を提供する「Microsoft Office Communications Online」、4)Web会議・アプリケーション共有などを提供する「Microsoft Office Live Meeting」など。そのほか、フィルタリングや暗号化、アーカイブなどの機能を提供する「Microsoft Exchange Hosted Services」もMicrosoft Online Servicesで提供される。

 同日より日本語版ベータとして公開されたBPOSは、Exchange Online、Office SharePoint Online、Communications Online、Office Live Meetingの4つのサービスをパッケージ化したスイートサービスになる。


BPOSの管理画面。各サービスの運用状況などを一覧表示で確認できる 利用可能なライセンス数も視覚的に確認できる メールボックスは1ユーザーあたり5GB。利用者数分の容量を合算して、ユーザー単位に柔軟に割り振ることも可能

既存のメールサーバーからの移行や、ローカルのActive Directoryと同期するなど、柔軟な運用にも対応 ユーザー向けにはサインインクライアントを用意。ここから各サービスにワンクリックでアクセスできる Outlook Web Accessなども利用可能。社内外で利用する際に、使い分けることも

インフォメーションワーカービジネス本部 ビジネスオンラインサービスグループ マネージャの磯貝直之氏
 同社インフォメーションワーカービジネス本部 ビジネスオンラインサービスグループ マネージャの磯貝直之氏は、「BPOSは、Microsoft Online Servicesの各サービスを包括的に提供するもの。サーバーを共有して利用するStandardと、サーバーを占有して利用するDedicatedの2つのエディションを提供するが、当面はStandardを中心に国内では展開する」と紹介。「国内での提供価格はまだ確定していないが、米国ではMicrosoft Online Servicesの各サービスを個別に購入するよりも4割程度安く利用できる」と説明。サービス自体は同社が提供するが、販売は国内のパートナー企業経由で行われる。

 米国での提供価格は、BPOSが1ユーザーあたり月額15ドル。各サービスは、Exchange Onlineが1ユーザーあたり月額10ドル、Office SharePoint Onlineが1ユーザーあたり月額7.25ドル、Communications Onlineが1ユーザーあたり月額2.5ドル、Office Live Meetingが1ユーザーあたり月額4.5ドル。

 Exchange OnlineとOffice SharePoint Online、およびBPOSに関しては、Webアクセスのみに限定したDeskless Workerを用意。米国での提供価格は、BPOSが1ユーザーあたり月額3ドル。Exchange OnlineとOffice SharePoint Onlineがそれぞれ1ユーザーあたり月額2ドル。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3649
  Microsoft Online Services
  http://www.microsoft.com/japan/online/


( 福浦 一広 )
2009/03/10 14:00

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