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ミラクル・リナックスら、日中韓それぞれのLinuxを「Asianux」にブランド統一

新版は9月18日に3カ国同時発売

 ミラクル・リナックス株式会社、中国のRed Flag Software(以下、Red Flag)、韓国のHaansoftの3社は7月27日、各国にて提供しているLinuxの製品名を「Asianux(アジアナックス)」に統一すると発表した。次期バージョンの「Asianux Server 3」から、アジアにおける共通ブランドとして提供を開始する。

 Asianuxは、2003年12月にミラクル・リナックスとRed Flag共同のLinux開発プロジェクトとしてスタートし、2004年8月に「Asianux 1.0」(日本市場では「MIRACLE LINUX V3.0-Asianux Inside」)として、最初のバージョンが発表されたLinux製品。同年10月にはHaansoftも加わり、2005年8月に、信頼性・可用性・保守性を強化したとする「Asianux 2.0」(日本市場では「MIRACLE LINUX V4.0-Asianux Inside」)が発表されている。

 今回の発表は、同プロジェクトのスタートから3年以上が経過し、エンタープライズLinux市場における国際的なポジションを確立したこと、また3カ国での協業・開発体制が整ったことを受けて、各国のLinuxブランドを統一しようというもの。ブランド統一により、ハードウェアおよびソフトウェア製品の対応が増加し、ユーザーへの提案の幅も広がることから、グローバル市場でのさらなる普及が見込めるとしている。

 これに伴い9月18日には、3カ国同時に新版の「Asianux Server 3」を出荷開始する予定。この新版では、カーネルが「Kernel 2.6.18」へバージョンアップ。エンタープライズでの利用を前提とし、ダンプ解析機能などの障害対応機能を強化したほか、Oracle Databaseとの親和性を向上。環境変数の設定を簡略化するさまざまな機能が盛り込まれた。

 また、SambaとOpenLDAPを組み合わせることで、大規模ファイルサーバとしても利用可能にするともに、Webサーバーにロードバランシング機能や動的キャッシュなどが強化された「Apache 2.2系」を、データベースにストアドプロシージャを実装した「MySQL 5.0系」を採用。信頼性の高いWebシステムを構築できるようにした。

 価格は、CPUソケット×2に対応するベーシックパックが3万1500円/サーバー。CPUソケット無制限のスタンダードパックが9万9540円/サーバー。価格には、いずれもバージョンアップ製品の提供、1年間の修正パッケージの提供が含まれる。



URL
  ミラクル・リナックス株式会社
  http://www.miraclelinux.com/
  Red Flag Software
  http://www.redflag-linux.com/
  Haansoft
  http://www.haansoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.miraclelinux.com/corp/pressroom/details/2007/0727_1.html

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( 川島 弘之 )
2007/07/27 15:30

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