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「ユーザーに優しいERP」、マイクロソフトがDynamics AXの特徴を説明


マイクロソフトビジネスソリューションズ事業統括本部 MBSプロダクトマーケティング本部の國持重隆AXプロダクトマネージャ

OutlookライクなUIを持つクライアントツールを提供する。今後はリボンUIもサポートする予定だという

Excelをフロントエンドのツールとして使いながら、Dynamics AXのデータを利用できる
 マイクロソフト株式会社は、ビジネスアプリケーション製品群「Microsoft Dynamics」のラインアップとして、ERPソフト「Dynamics AX 4.0」を6月から提供する。正式発表に先立つ4月18日、同社はプレス向けの説明会を開催し、同製品の特徴について解説した。

 マイクロソフトビジネスソリューションズ事業統括本部 MBSプロダクトマーケティング本部の國持重隆AXプロダクトマネージャによれば、Dynamics AXの特徴は、1)ユーザーにやさしい、2)ユーザー個人の好みや業務に対応、3)ユーザーが長く使える、の3点だという。

 このうち1)については、マイクロソフト製品に共通した「使い勝手を実現していること」(國持AXプロダクトマネージャ)がポイント。Dynamics AXの操作は専用クライアントから行えるが、Outlook調のユーザーインターフェイス(UI)を採用しているため、マイクロソフト製品に慣れたユーザーであれば、簡単に操作ができるという。「ERPアプリケーションなので使い方は当然勉強していただくことになるが、操作感はこれまでと同じ感覚でできるため、ERPアプリケーションの利用で壁になる操作面に関してのメリットがある。ユーザーは迷うことなく、関連情報にどんどんドリルダウンしていける」(國持AXプロダクトマネージャ)。

 また、データの分析、取得、入力にMicrosoft Office製品を使えるのも売りの1つで、フロントインターフェイスとしてそれらの製品を利用すれば、使い方すら覚えなくてもいいユーザーも出てくるという。競合となる他社製品でもExcel連携を実現できる製品はもちろん存在するが、國持AXプロダクトマネージャは「Excel連携のための追加開発、オプション購入などをせずに実現できる点が特徴だ」とアピール。「ERPはもう特別な存在ではない、慣れている操作感で使える、という点を訴求ポイントにしていきたい」とした。

 2)では、ユーザーごとに画面の設定を変えられる点が強調された。ユーザーの必要に応じて、英語、日本語、中国語といったように利用する言語を変更可能。さらに、項目の並び順や表示・非表示の切り替えといった画面のカスタマイズを、提供される権限の範囲内でユーザー自身が行えるため、ユーザーに対して非常にやさしくなっているという。


階層構造を利用したカスタマイズが可能
 最後の3)では、一度導入したら拡張しながら長く使っていけるように工夫しているという。画面や処理がオブジェクトで定義されており、またそれが階層ごとに管理されているため、カスタマイズの際にも工数がかからず、自由度も高くなっている。さらに、階層化構造の採用によって、標準機能のバージョンアップの際にもカスタマイズ資産を引き継げる可能性が高くなっていることも特徴。同様の理由で、サードパーティのアドオンも海外ではたくさん用意されているとのことで、國持AXプロダクトマネージャは、「一度導入しても業務が変わったり会社の規模がかわったりすると、通常は買い直しや大規模回収が発生するが、Dynamics AXでは柔軟に対処できる」とアピールした。

 なお開発では、オブジェクト指向の開発ツールに加えてVisual Basicも利用可能で、今後はさらにVisual Basicとの連携を強化していくとのこと。またパートナーに対しては、関連ソリューションが開発しやすいように、海外で用意されている認定パートナー向けのサイトを国内向けにも用意するとしている。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/

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( 石井 一志 )
2007/04/18 18:12

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