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SAPジャパン、生産現場とERPを連携させる製造業向けソフト-生産状況を可視化


パートナ&マーケティング統括本部 インダストリ事業開発 ディレクターの脇阪順雄氏

SAP xMII概略図
 SAPジャパン株式会社は3月20日、生産現場とERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務システム)のデータをつなぐ製造業向け連携ソフトウェア「SAP xApp Manufacturing Integration and Intelligence 日本語版(以下、SAP xMII)」を発表した。同日より出荷を開始する。

 SAP xMIIは、生産現場とERPのデータを連携させ、グローバルに分散した生産拠点のデータを可視化するソフトウェア製品。受注、生産進ちょく、歩留まり、品質、設備ステータス、コストなど、製造に影響を及ぼすすべてのデータと、ERPなどのシステムを連携させることで、予期せぬトラブルの対処などを迅速化することが可能になる。

 パートナ&マーケティング統括本部 インダストリ事業開発 ディレクターの脇阪順雄氏は、「数年前から、製造業におけるビジネススピードは週次単位へと加速している。加えて現在では、1週間の中で発生する想定外の変化への対応力まで求められている。こうした状況では、工場現場の変化をリアルタイムにつかむことが重要」と語る。

 「そのためには、受注や在庫を管理するERPと、現場を知るMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)・SFC(Shop Floor Control:生産工程管理システム)との融合が欠かせないが、現状では分断されているのが実情。これでは迅速な意志決定は行えない」(脇阪氏)と製造業が抱える問題点を指摘した。

 SAP xMIIは、こうした問題を克服するため、ERPの受注状況、現場の生産ライン状況や各設備の稼働状況などを統合し、製造上の異常をいち早く感知するための製品だ。

 「例えば、ERPから収集した受注情報と、現場のMESから吸い上げた製造状況の情報にギャップがあった場合。SAP xMIIを導入していれば、このことをいち早く感知して、生産スケジュールの変更や生産ラインの変更、あるいは引き当て状況を確認して顧客へ出荷回答を出すなど、臨機応変にアクションできる」(脇阪氏)という。

 そのためにSAP xMIIでは、既存のプロセスやサービスを抜き出してコンポーネント化、それらを組み合わせて新プロセスを成立するSOA(サービス指向アーキテクチャ)の考え方を採用している。Webサービスであるため、ユーザー定義の組み込みサービスとして利用が可能。これにより、製造業に特化した最適なプロセスを、工場単位で組み上げられるフレキシブルな構築能力を実現したとする。

 具体的には、サービス・プロセスといった細かい単位でのコネクタを用意。SAP ERP同士の接続性はもちろん、既存のMESやSFCとも容易に連携できるのが特徴だ。さらに、状況を直感的に把握できるようグラフやチャートを多用し、分かりやすさにもこだわったと脇阪氏は説明した。


各拠点単位での生産状況が確認できる 各製造ライン単位でも確認できる 各設備単位の稼働状況まで確認可能

製造過程で、温度・圧力状況など設備がどういう状態で稼働していたか確認できる バッチ解析。製造品の品質がグラフで確認できる

 詳細な価格は明かしていないが、およそ1000万円から。拠点数や設備、取り扱うデータの種類などによって大きく変動するとのこと。また、SAP xMIIが本当に便利なツールになるためには、世に出回るMESとの連携性が重要となる。既にNECのMES製品との連携実績があるとした上で、脇阪氏は、今後も各MESベンダーとの協業を積極的に図っていくとした。



URL
  SAPジャパン株式会社
  http://www.sap.com/japan/


( 川島 弘之 )
2007/03/20 18:28

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