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キヤノンソフト、画面単位で課金するWebアプリケーション自動生成ツール


 キヤノンソフトウェア株式会社は、基幹システム向けWebアプリケーションのソースコード自動生成ツール「Web Performer」を2月1日より発売する。価格体系はユーザー数ではなく、開発するアプリケーションの画面数に応じた従量制で、導入料金が100画面まで262万5000円、1000画面まで1365万円、年間利用料金が100画面157万5000円、1000画面420万円。ただし評価用として50画面までの開発については無料で提供される。


 Web Performerは、分離された業務要件と実装要件に基づく要件定義から、WebアプリケーションのJavaソースコードを100%自動生成するツール。従来は手作業で行われていた実装作業を自動化することで、短期間での開発が可能になる。要件は、データベース中心の設計手法であるDOA(Data Oriented Approach)で定義するため、オブジェクト指向を習得しなくとも、従来の設計スキルで開発ができる。業務要件はWeb Performerのリポジトリで管理でき、これに実装要件を組み合わせることでソースコードを自動で生成できる。ロジック見直しや仕様変更といった業務要件と、GUIの変更といった実装要件を分離して管理できることで、変化への柔軟な対応も可能になるという。

 同社のテストによれば、手作業で1人月を要したWebアプリケーションをわずか4人日で開発できたとのこと。バグも減少できるためテスト行程も圧縮でき、さらにスキルの高低を問わず品質の一定したアプリケーション開発を実現できる。これにより企業IT部門の生産性を高め、業務効率を向上が実現できる。


業務要件と実装要件からJavaソースコードを自動生成する「Web Performer」 3:4:3とされる設計、実装、テストの行程を3:1:1にし、開発を短期化 COBOL環境向けコード自動生成ツールと、Webワークフロー開発ツールの「いいとこ取り」

キヤノンソフトウェア株式会社 代表取締役社長 岡田明氏
 キヤノンソフトウェア株式会社 代表取締役社長 岡田明氏は「20年前にCOBOL環境向けのコード自動生成ツールとして発売した「CANON-AID」と、2000年に発売したWeb環境でのワークフロー開発ツール「Web-CADDY/J」のいいとこ取りをした」と述べ、「キヤノンソフトでは、いかに開発を容易にするかにフォーカスして製品を提供してきた」と語った。そして「いまインドや中国でのオフショア開発が注目されているが、いかにコストが安いといってもコーディングは必要だ。どちらが安くなるかはハッキリしている」と自信を見せた。

 販売にあたっては企画・営業・開発からなる専門組織「Web Paformer推進本部」を新たに立ちあげる。そして今後1年間に100社への販売を目標とする。販売パートナーとも協業し、3年後には300社への提供と年間30億円の売り上げを目指す。またSIでの顧客向け開発ツールとして、さらにコンサルティング企業との協業により、上流行程の設計ツールと連携することでも拡販を図っていく。最終的には「日本国内にある中堅・大手企業5500社のIT部門のうち、10%の獲得を目指す」という。


 Web Paformer推進本部長の峯松憲二氏は、「企業IT部門には、複雑な異種混在環境の維持管理だけでなく、技術の進化スピードをとらえ、さらにエンドユーザーの要求領域の広さを手の内に入れるといったさまざまな課題がある」とした。

 同氏は「レガシーシステム技術者が大量に退職する2007年問題を背景として、企業システムにはWeb化の流れがある」とした。しかし「情報システム部門では、COBOL技術者はいてもJava技術者はいないなど、人員のスキルと数の不足も問題になっている」という。さらに「経営からのコストダウン要求は年々強まっており、開発予算も慢性的に不足している。そうした中で最後の選択肢としてパッケージを導入する企業も多いが、アドオン開発により結局パッケージの“安い”“早い”というメリットが生かせないこともある」と語った。

 Web Paformerについては、今後スイート製品群として機能を強化していくとした。まず自動テスト機能の追加や、他社の設計・分析ツール、テストツールとの連携を強化し、設計、実装、テストからなる開発プロセス全体をサポートしていく。

 また適用領域として「通常Javaはバッチ処理に向かないとされるが、これは可能と考えており、今後は帳票作成、フォーム作成ソフトとの連携も計画している」とした。そして今後はレガシーマイグレーションの需要を視野に入れ、これまでの資産を生かして、リポジトリとして取り込めるインターフェイスなども開発していく。また開発したプログラムにWebサービスインターフェイスを設け、さらに同社が販売している米WebMethodのEAIツールとも連携してSOAへの対応も進める。



URL
  キヤノンソフトウェア株式会社
  http://www.canon-soft.co.jp/
  Web Performer
  http://www.canon-soft.co.jp/product/web_performer/


( 岩崎 宰守 )
2005/01/18 19:27

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