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代表取締役社長の小島國照氏
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Sentrion MPVの特長
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センドメール株式会社は8月26日、VMwareの仮想マシンで稼働するメールセキュリティ製品「Sentrion MPV」を発表した。12月末より販売を、2009年1月末より出荷を開始する予定。
Sentrion MPVは、VMwareの仮想マシン上で稼働するゲートウェイ型のメールセキュリティ製品。スパム・ウイルス対策、送信ドメイン認証、情報漏えい対策などのソリューションをMPE(Message Processing Engine)として統合し、GUI上から一括管理できるのが特長。
代表取締役社長の小島國照氏はメリットを次のように語る。「ISP各社では、ユーザー企業ごとに複数のドメインを管理・運用する際、ドメインごとにサービス設定を作り込む必要がある。一方のSentrion MPVでは、1台の物理サーバー上に複数の仮想マシンを並列稼働させることで、1ドメインにつき1仮想マシン、1ポリシーで運用可能。また、従来個別に提供されてきた各種ソフト製品をオールインワンパッケージとして提供するのが特長で、導入・運用コストの大幅な削減とともに、メッセージ環境に仮想化技術のメリットを適用することが可能になる」。
また、Sentrion MPVで提供するセキュリティ機能に関しては、「ポリシー違反の検知率が高い」(小島氏)点を強調。「例えば、センドメール製品では当たり前だが、他社製品では受信者ごとに違うポリシーを適用することができないらしい」とし、同製品の優位点を述べた。
今回、Sentrion MPVの提供に併せ、メール誤送信による情報漏えいをフィンガープリントで防ぐ「Document Fingerprinting」の提供も開始する。文書の識別子として暗号化された文字列(フィンガープリント)を生成し、ポリシーに沿って情報漏えいを防ぐもので、メールセキュリティの統合プラットフォーム「MailstreamManager」の新機能として提供する。
同様の機能としては、キーワードフィルタが一般的だが、小島氏は「キーワードフィルタは、“機密情報”などのキーワードをたくさん登録する必要がある。しかも、“機密情報”と含まれていれば実際には機密でなくても制御してしまう」と欠点を指摘。「機密ファイルそのものを登録するDocument Fingerprintingなら、本当に重要なファイルだけをフィルタリングすることができる」と、新機能のメリットを強調した。
さらに「盗作・盗難防止と同様の技術を採用しており、登録した文書全文あるいは一部分のコピーでも検知してフィルタリングすることが可能。また、フィンガープリント自体も元ファイルの200分の1のサイズまで圧縮できるため、キーワード方式よりもパフォーマンスに優れる」(小島氏)とした。
利用手順は、まずフィルタリングしたいファイルのカテゴリを作成。その後、ファイルをアップロードして、スコアやしきい値などのポリシーを設定するだけでOK。例えば「1週間後に発表するプレスリリースの流出を防ぎたいのならば、プレスリリース自体を登録し、保護期間を7日と設定するだけ。期間を過ぎた後は、自由にメールで送信するといった運用も可能になる」(小島氏)という。
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Document Fingerprintingの特長
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3ステップの利用手順
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フィンガープリントのカテゴリ画面
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カテゴリ「Sales」に属する文書をフィルタリングするルール
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登録済みのドキュメント一覧
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ドキュメントの追加画面
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Document Fingerprintingは、MailstreamManagerあるいはSentrion MPVのオプション機能として提供される。Sentrion MPVの価格はオープン。パートナー経由で販売され、Sentrion MPVと組み合わせるサーバー機器やVMware ESX Serverの構成に応じて価格は異なる。ちなみに現在は英語版のみだが、国内提供時にはローカライズを済ませて販売するとのこと。
今回発表する仮想アプライアンスモデルのほか、ハードウェアモデル、ブレードサーバーモデルなども順次提供する予定。センドメールでは、アプライアンス製品全体で、初年度3億5000万円の販売を見込む。
■ URL
センドメール株式会社
http://www.sendmail.co.jp/
プレスリリース
http://www.sendmail.co.jp/company/press/html/20080826-01.html
http://www.sendmail.co.jp/company/press/html/20080826-02.html
( 川島 弘之 )
2008/08/26 16:00
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