Enterprise Watch
最新ニュース

ソニックウォール、エンタープライズ市場に本格参入

大規模向けトータルセキュリティソリューション製品群を発表

日本支社代表のマイク小池氏

SonicWALLのエンタープライズ市場へのアプローチ
 ソニックウォール日本支社は11月15日、大規模ネットワーク向けのトータルセキュリティソリューション製品群「SonicWALL E-Class」シリーズを発表し、エンタープライズ市場に本格参入することを明らかにした。「SonicWALL E-Class」シリーズの第1弾としては、大規模ネットワーク向けUTM(統合脅威管理)アプライアンス新製品群「SonicWALL Network Security Appliance E-Class(以下、NSA E-Class)」を12月中旬から国内で受注開始する。

 発表会には、10月1日付で日本支社代表に就任したマイク小池氏が出席。エンタープライズ市場への本格参入について、「当社はこれまで中小規模ネットワーク向けセキュリティソリューションを中心に展開してきたが、その中で、3年ほど前からエンタープライズ市場参入に向けた準備を進めてきた。具体的には、2005年にLasso LogicとenKooを買収しSSL-VPNテクノロジーを獲得、2006年にMailFrontierを買収してEmail Securityテクノロジーを獲得、2007年にはアベンテイルを買収しエンタープライズ向けSSL VPNテクノロジーを手に入れた。そして今回、これらのテクノロジーを集約し、エンタープライズ市場のニーズを満たすトータルセキュリティソリューションとしてSonicWALL E-Classシリーズを発表するに至った」と説明した。

 エンタープライズ市場開拓に向けた戦略としては、まず販売ルートの強化を図る方針で、GoldおよびSilverパートナー制度を使って、システム構築に強いパートナーとの連携を強めていく考え。また、日本語ローカライズへの対応をさらに強化。SonicWALL E-Classシリーズにおいても、ローカライズした製品およびサービスをパートナーを通じて提供していくという。小池氏は、「SonicWALL E-Classシリーズが加わることで、中小から大規模まですべての市場に向けて、トータルセキュリティソリューションを提供できるようになる。これを機に、総合インターネットセキュリティ企業としてさらなる事業拡大を目指していく」と意欲を見せた。

 今回発表した「SonicWALL E-Class」シリーズは、従来の中小規模ネットワーク向けソリューションと同様にUTM(統合脅威管理)、SSL VPN(セキュアリモートアクセス)、Email Security(迷惑メール対策)の3つの製品カテゴリに分かれており、UTMには「NSA E-Class」3製品、SSL VPNには「SonicWALL Aventail」3製品、Email Securityには「Email Security ES」2製品の計8製品を順次ラインアップする予定。


SonicWALLの新たな製品群 SonicWALL E-Classシリーズのラインアップ

UTMアプライアンス「NSA E-Class」

NSA E-Classの製品特徴
 その第1弾として登場するのがUTMアプライアンス製品群「NSA E-Class」。同製品群は、1UラックサイズのUTMアプライアンスで、新たに搭載したマルチコア・パフォーマンス・アーキテクチャを利用することで、スループットを落とすことなく、高速かつリアルタイムにディープ・パケットインスペクション(DPI)を行うことができる。マルチコア・パフォーマンス・アーキテクチャでは、専用のセキュリティプロセッサを組み合わせて同時並列処理を行うことで、複数のセキュリティ機能をオンにした場合にもオーバーヘッドを抑えながら高速な処理を実現する。これによって、従来までパフォーマンスがボトルネックとなっていた大規模ネットワーク市場向けにもUTMの導入が可能となる。

 また、データ漏えいを防ぎ、トラフィックを的確に制御する保護ツール「ソニックウォール・アプリケーション・ファイアウォール」を搭載。アプリケーションごとのきめ細かいポリシー設定や、複数のレベルで柔軟なアクセス制御を行うことができる。

 このほかの特徴としては、ステートシンク機能によりハードウェアフェイルオーバー時のセッション引き継ぎを実現し、ビジネスの接続性を向上。さらに、ロードバランス機能によって単一プロセッサへの負荷集中を回避し、負荷分散することで機能上の制約を取り除くことが可能となる。柔軟な配置ができる点も特徴で、データセンターやキャンパスネットワーク、大規模拠点間接続のネットワークセキュリティでの利用に最適となっている。なお、GUIは現行製品と同様、日本語化して提供される。

 「NSA E-Class」製品群の価格は、500MHz×8コアプロセッサ、FWスループット2Gbps、UTMパフォーマンス・スループット400Mbpsの「NSA E5500」が196万円から、500MHz×16コアプロセッサ、FWスループット3Gbps、UTMパフォーマンス・スループット750Mbpsの「NSA E6500」が274万4000円から、600MHz×16コアプロセッサ、FWスループット5.5Gbps、UTMパフォーマンス・スループット1Gbpsの「NSA E7500」が490万円から。SonicWALL正規販売代理店を通して、12月中旬より受注を開始する予定。



URL
  ソニックウォール日本支社
  http://www.sonicwall.com/japan/


( 唐沢 正和 )
2007/11/15 16:05

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.