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Spam Prevention SolutionとInterScan MSSの運用イメージ
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4階層防御では、大きな網目から順に、メールをこしていくイメージという
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プロダクトマーケティングマネージャの網野順氏
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トレンドマイクロ株式会社は3月5日、企業向けの迷惑メール(スパム)対策製品「Trend Micro Spam Prevention Solution」を発表した。メールセキュリティソフト「InterScan Messaging Security Suite(MSS)」のオプションという位置付けになる。また同時に、InterScan MSSの最新版となる「同 7.0」も発表された。いずれも同日より出荷を開始する。
InterScan MSSは、メール環境のセキュリティ対策を行うためのソフト。ウイルス、スパイウェア、迷惑メールのスキャン機能を備えており、統合的なメールセキュリティ対策を実現できるという。
新版では、特に大規模環境向けに管理機能を強化。複数サーバー構成時でも、ポリシー(ルール)や隔離メール、ログの管理を1つのコンソールから行えるようにしたほか、ウィザード形式によるポリシー設定をサポートし、より簡単な運用が行えるようになった。また、迷惑メールとみなされて隔離されたメールの管理を個々のユーザーが行えるようにし、管理者の負荷を従来よりも軽減している。あわせて、亜種のボット型ウイルスなどに対応するため、ファイルの圧縮形式から危険なファイルを判断する「IntelliTrap」機能も搭載した。
今回新たに提供されるSpam Prevention Solutionは、このInterScan MSS 7.0のオプション製品で、コンセプトは「4階層で行う迷惑メール対策」(プロダクトマーケティングマネージャの網野順氏)。迷惑メール対策として一般的なパターンファイルによる検出・隔離と、IPアドレスの“評判”を利用するIPレピュテーションフィルタリングに加えて、「IP Profiler」を利用した防御機能を2つ備える点が特徴という。
IP Profilerは、メールを送信してくるメールサーバーに着目し、一定時間に一定以上の攻撃が確認された場合に、該当するIPアドレスからの接続を拒否する仕組み。これにより、DHA(Directory Harvest Attack)攻撃と、特定の対象を狙い撃ちにするスピア型攻撃を防御する。
DHAは、適当なメールアドレスに対して無差別に迷惑メールを送りこみ、エラーメッセージが帰ってこなかったアドレスをリスト化する攻撃で、IP Profilerでは、SMTPサーバーに対して規定値以上の攻撃が行われた場合に、以降の攻撃を自動でブロックできる。またスピア型攻撃対策では、あるIPアドレスから規定した以上の迷惑メールが送られてきた時に、そのアドレスからの通信をブロックする。いずれもユーザー自身で閾値を設定できるほか、ホワイトリストも各自で編集可能となっており、きめ細かい制御を行えるとのこと。
「そもそも、メールアドレスを収集されなければ迷惑メールは届かないので、DHA対策は効果的。メールセキュリティ全体を考えると、送られてくるメールの対策だけでは不十分で、4つの防御を組み合わせることで、より有効に対処できる」(網野氏)。
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IPレピュテーションフィルタリングの概要
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なおIPレピュテーションフィルタリング機能は、従来「Trend Micro Network Reputation Services」の名称で提供されてきたのと同等のもの。トレンドマイクロが持つIPアドレスのホワイトリスト、ブラックリストを利用して、迷惑メールを多く配信しているメールサーバーの接続自体をブロックすることで、メール流量の最大80%をカットする。最近、迷惑メールでは画像を利用したものも増えているが、中身を精査するコンテンツフィルタとは異なり、IPアドレスの評判を利用する技術であるので、迷惑メールの中身に関係なくブロックできる点がメリットという。
また網野氏はこの機能について、「当社のサービスは、評判の高いMAPS(Mail Abuse Prevention System)を前身とする米Kelkeaの買収によって強化されており、実績がある点は特筆できる」とアピール。さらに、「ネットワークサービスであるにもかかわらずコンソールをユーザーごとに提供するのも特徴で、ユーザーの手元にリストがある場合と異なり、更新時もメールサーバーの再起動が必要ないというメリットがある」とも述べた。
InterScan MSS 7.0の参考価格は、50アカウントで29万2500円(税別)。InterScan MSSのサポートサービスを契約中のユーザーは、無償で最新版にアップグレードできる。またSpam Prevention Solutionは、50アカウントで14万円(同)となっている。
■ URL
トレンドマイクロ株式会社
http://www.trendmicro.co.jp/
ニュースリリース
http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2007/news070305.htm
( 石井 一志 )
2007/03/05 15:17
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