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Interop Tokyo 2006に参考出品されていたCDPアプライアンス「CDP2440i」
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プロダクトラインマネージャー、ジョン・キューン氏
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CDPアプライアンスの利用イメージ
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米SonicWALLは、ファイアウォール、VPN、IPS(侵入検知防御)などの機能を統合したUTM(統合脅威管理)アプライアンスを提供するベンダとして知られる。しかし同社は、メールセキュリティソリューションを手がけるMailFrontierを2月に買収したほか、2005年に買収した技術を元にして、データ保護ソリューションである「CDP(Continuous Data Protection)」分野にも手を広げようとしている。今回は来日した同社のプロダクトラインマネージャー、ジョン・キューン氏に、CDPを中心にその背景を聞いた。
キューン氏がCDPにフォーカスしている理由として述べたのは、「中小企業のビジネスリスクを減らす支援となるものを提供する」ということ。「現在はUTMで知られているが、それはあくまでピースの1つでしかない」としたキューン氏は、総合的なセキュリティを中小企業にも提供していく必要があるという姿勢を見せる。つまり、UTMだけでなく、広い意味での総合セキュリティを提供するベンダを目指すということだ。
その理由の1つに、SonicWALLが中小企業市場が伸びる余地の大きな市場だと考えていることが挙げられるという。キューン氏は「中小企業へ製品を提供する別の分野へも入っていかなくてはいけない」と述べるとともに、「CDPで、ビジネスを持続していくためのリスク回避、データ保護を提供する」と力強く述べた。
「テープのバックアップを取っても、大きな問題を解決することにはならない。重要な点は、6カ月前のものを見るということはあまりなく、24時間以内にクラッシュしたデータを復旧させたい方が多いということ、またユーザーはすぐにデータを復帰させたいということ。そのためにはリアルタイムでのサーバーバックアップが重要だ」(同氏)。
SonicWALLが米国で提供しているアプライアンスは、内部にHDDを備えており、クライアントないしはサーバーから、テープよりも短い間隔でバックアップを行っていくことができる。もちろん、ネットワークに強い実績を持つ同社のこと、ネットワーク経由での遠隔バックアップの仕組みも用意されており、オフサイトのデータセンターなどへさらにデータをコピーすることも可能だ。
機能面でのアドバンテージでは、「セキュリティのプロバイダでもあるので、暗号化には強い。またブロックレベルでより迅速にバックアップできる技術も持っている」と説明している。
またキューン氏はCDP分野への食い込みについて、「当社のブランドネームを駆使して、バックアップ分野にも入っていきたい。ユーザーは当社の製品に信頼を寄せてくれているので、その分野でも使ってみよう、ということになるのではないか」と述べ、現在の顧客ベースが、新たな分野へのチャレンジの際にも武器になっていくとの見方を示した。
一方では、既存製品の強化も欠かせないという。「Googleがスプレッドシートのサービス提供を始めたように、企業ではますますインターネットへのアウトバンドトラフィックが増えていくだろう。管理者は頭が痛い状態だ。そこでアプリケーションへのアクセスへの管理、帯域幅の管理が必要になる」と述べ、防御エンジンの改良をしているとした。
あわせて、「IKEv2や新たなダイナミックルーティングの機能を備えた新世代のVPN機能を開発し、VPNの信頼性、スピード、機能を高めていく」と述べた。なおこの機能は米国ではすでにリリースされている、UTM用OS「SonicOS 3.2」では実装されているとのことである。
■ URL
米SonicWALL
http://www.sonicwall.com/
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( 石井 一志 )
2006/06/09 17:22
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