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日本HP、リアルさにこだわったバーチャル会議システム「Halo」


 日本ヒューレット・パッカード株式会社は8月22日、バーチャル会議システム「HP Halo Collaboration Studio(以下、Halo)」を発表した。また、同社市ヶ谷事業所内にHaloスタジオを同日開設したことも発表した。

 Haloは、50インチのHD対応ディスプレイを複数台用いることで、遠隔地にいる相手とリアルタイムに臨場感あふれるコミュニケーションを実現できる会議システム。機器や内装品、照明などで構成される「Haloスタジオ」とHalo専用に用意されたプライベート光ファイバネットワーク回線「HVEN(Halo Video Exchange Network)」、および設置・運用・保守サービスをパッケージ化して提供される。

 Haloスタジオでは、50インチのディスプレイを人物用に3台、コラボレーション画面用に1台用意。高精度人物撮影用カメラ3台と高精度ズームカメラ1台、高感度マイク3台などが用意される。そのほか、会議机やいす、防音壁など会議室の設備一式もあわせて提供される。専用の会議室を用意する理由について、会議室全体の雰囲気を統一するとともに、高品位の画像をやりとりするのに適した環境を実現するためと同社では説明している。また、機器類は遠隔保守サービスにより一元管理が行われている。

 特に重視しているのが、遅延のない音声とリアルな映像を再現するという点。Haloでは、専用回線と同社のサポートセンターで一括管理することで、高品質の画像と遅延のない音声(200ミリ秒以下)を実現。50インチのディスプレイにより、対面して会話を行っている印象を与えられる。これにより、相手の表情を確認できるため、リアルなコミュニケーションが可能となっている。


間接照明による自然な質感を再現しているHaloスタジオ。発表会では、ワシントンDCから米HPの担当者によるリアルタイムプレゼンテーションも行われた 50インチのディスプレイに表示された映像。若干小さく表示されるが、対面して会話をしている感覚がもてる。同社によると、15~30分程度で慣れ、違和感なく会話ができるとしている

 コラボレーション画面には、ノートPCなどを使って文書やデータを表示可能。また、ズームカメラを利用することで、机の上に置かれた物を拡大して表示することもできる。なお、Haloスタジオ内は企業の既存ネットワークを利用せず専用回線を用いるため、セキュアな環境を実現しているという。


天井に設置された高精度ズームカメラ 机の上に表示したいものを置く 紙幣の細かな線まで再現されているのが理解できる

取締役副社長 HPサービス事業統括の石積尚幸氏
 同社取締役副社長 HPサービス事業統括の石積尚幸氏は、「Haloは元々、DreamWorksからのリクエストがきっかけで実現したシステム。従来の電話会議やWeb会議では、具体的な物などを確認しあうことができないため、どうしても出張する必要があった。このHaloは、高精度カメラを利用することで物を詳細に確認することも可能。DreamWorksの場合、これにより出張などの時間短縮を実現するなど生産性が向上し、制作本数を年間1本から年間2本にまで高められた」と、高精度ディスプレイにより、従来よりもリアルなやりとりが可能になったと説明する。

 同社のインクカートリッジの開発でもHaloが用いられており、これまで88往復の出張が44往復と半分にまで削減できたと説明。石積氏は、「企業の中でも、R&D部門や品質管理部門などでHaloを利用するメリットがすぐに得られるのではないか」とし、こうした部門からHaloを提案していくとした。

 Haloスタジオ1室の初期設置費用は42万5000ドル(約4888万円)。月額での運用保守サービス費が3万ドル(米国の場合は1万8000ドル)。価格は導入するHaloスタジオ数や利用する国によって異なるとのこと。また、リースでの導入も可能となっている。同社では、グローバルビジネスを展開する企業などを対象に販売を行うとしている。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2006/fy06-156.html


( 福浦 一広 )
2006/08/22 15:15

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